世界の国別ビリオネア数ランキング 大富豪が激減したのは「あの国」だ

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2021年、パンデミックにもかかわらず、世界のビリオネア数は記録的な2755人に達した。今年は減ったが、その理由は明確だろう。逃げたカネはどこへ向かうのだろうか。

コロナ禍と戦禍、減速する経済にもかかわらず、2022年の「ビリオネア・ランキング」には2668人のビリオネアが載っている。最も多い国は米国(735人)。続いて中国が(539人)、インド(166人)、ドイツ(134人)、ロシア(83人)と続いた。日本は17位(40人)だった。

富豪の数が大幅に減った国はロシアと中国。ロシアは、ウクライナ侵攻と、それに伴う西側諸国による制裁でロシアの株式市場とルーブルは急落。その結果、ランキングロシアの億万長者は昨年比34人減の83人に。総資産も、昨年の5840億ドルから今年は3200億ドルに減っている。

中国も、ハイテク企業に対する政府の取り締まり、株安、不動産セクターのトラブルなどを背景に、22年のビリオネア数が87人減少した。総資産も21年の2兆5000億ドルから約5000億ドル減の1兆9600億ドルになっている。


「ビリオネアが最も多い20の国と地域」

デカコーンズの誕生


世界の業界別ビリオネアの割合で全体の12%を占めたテクノロジー業界。今年もテック系起業家がビリオネア入りを果たしている。

金融インフラ「Plaid(プレイド)」や、ネオバンク「Revolut(レボリュート)」といったフィンテック企業はもちろん、暗号資産関連スタートアップの創業者たちも多数。NFTマーケットプレース「OpenSea(オープンシー)」共同創業者のデビン・フィンザーとアレックス・アタラ(上写真・P58に関連記事)のほか、暗号通貨取引所「FTX」共同創業者ゲイリー・ワンが28歳ビリオネアになっている。

GARY WANG ゲイリー・ワン
59億ドル FTX共同創業者 暗号資産

ZACH PERRET ザック・ペレット
15億ドル プレイド共同創業者 フィンテック

WILLIAM HOCKEY ウィリアム・ホッキー
14億ドル プレイド共同創業者 フィンテック

ALEX ATALLAH アレックス・アタラ
22億ドル オープンシー共同創業者 NFT

DEVIN FINZER デビン・フィンザー
22億ドル オープンシー共同創業者 NFT

ベンチャー投資全盛


世界の業界別ビリオネアの割合で全体の15%を占めたのが、金融・投資業界だ。サプライチェーンの停滞やインフレ不安、ロシアのウクライナ侵攻に伴う景気減速もあって市場が乱高下しているが、業界別で最多となる45人も新たなビリオネアが誕生している。

ベンチャー投資(VC)業界からも富豪が多数生まれている。2021年、世界におけるベンチャー投資額は前年比111%増の6210億ドルに達した。インスタグラムやストライプへ初期投資したジョシュア・クシュナー(左写真)もビリオネア入りを果たしている。

JOSHUA KUSHNER ジョシュア・クシュナー
20億ドル スライヴ・キャピタル ベンチャー投資

RAMZI MUSALLAM ラムジ・ムッサラム
40億ドル ヴェリタス・キャピタル プライベート・エクイティ

編集=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.095 2022年月7号(2022/5/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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