その屋台骨となっているのが、2023年版で22年目を迎えるロングセラー商品「ほぼ日手帳」だ。ページ内は方眼紙で、日付は入っているものの、空欄部分が大きいのが特徴だ。「持つ人が自分の生活やスタイルに合わせて自由にのびのび使える『LIFEのBOOK』」と定義されている。
初年度は1種類1万2000部だったのが、手帳本体のバリエーション増加や手帳カバーの多様化などで2010年には54種類(本体は3種類)35万部までに成長。2019年には最高売上げの85万部を記録した。現在は70万部台に減らしてはいるが、「手書きの喜び」を求める世界中のユーザーからの熱い支持を受け続けている。
手帳本体に加え、オリジナルのカバーなど関連アイテムは100以上。毎年ラインナップを増やし続けてきた。2023年版では海外での人気の高まりを受けて、英語版を1種類から3種類に増やし、9月1日から発売する。
2023年度のカズン英語版
海外展開で広がる「TECHO」の世界
ほぼ日手帳の企画担当リーダーである星野慎子によると、海外でも使い方は日本と同様で、「絵を描く」「ライフログを残す」といったものだ。
海外のユーザーに「ほぼ日手帳ってどういうもの?」と聞くと「It’s a TECHO. 予定帳でも、日記でも、ノートでもありません。全部を兼ねています」と返ってきたという。ほぼ日手帳は、そのまま「TECHO」というオリジナルの存在として認知されているようだ。
ほぼ日として特に海外展開に力を入れてきたわけではないが、自然発生的に人気が広がっていったという。2023年度版から大判の「カズン」サイズの英語版をラインナップに加えたのも、ユーザーからの要望を受けてのことだ。英語版発売を発表したSNSへの反応も熱く、「待っていてくれた人たちがいるんだ」と実感していると星野は言う。