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2022.08.30

販売台数でテスラを抜いた中国BYD、上半期利益が前年の3倍に

Getty Images

世界最大の電気自動車(EV)メーカーである中国のBYDの2022年1~6月の純利益は、前年同期の3倍に急増した。ウォーレン・バフェットが支援する同社は8月29日、今年上半期の純利益が36億元(約720億円)に達し、売上高が前年同期比65.7%増の1506億元に拡大したことを明らかにした。

BYDは7月に、上半期のEV販売台数が前年同期比315%増の64万1350台になったと発表したが、この数値はテスラの51万台強を上回っていた。

香港市場に上場するBYDの株価は、中国経済の成長に対する懸念から、過去1カ月で10.7%下落したが、香港市場のベンチマークのハンセン指数が21%急落したのに比べ、過去12カ月で1%上昇している。BYDの時価総額は1210億ドルで、GMとフォードの合計を上回っている。GMの株価は過去1年間で約20%下落し、フォードは19%上昇した。

BYDの競争優位性としては、バッテリーや一部の半導体などの中核部品を自社で製造していることや、早くからEVに注力してきたことが挙げられる。深圳に本社を置く同社は、競合のテスラのように上海のロックダウンの影響を受けずに済んでいる。

同社は今回の中間報告で、「中国のマクロ経済は、需要の縮小や供給ショック、見通しの悪化などのプレッシャーにさらされ、その結果、消費意欲が弱まり、投資が下振れした」と指摘した。BYDはさらに、「需要の減少や、チップの不足と原材料コストの高騰が自動車産業の苦境に拍車をかけている」と警告した。

BYDの全体的なビジネスはライバルよりも多角的で、携帯電話のパーツや太陽光発電パネルも製造している。同社の顧客には、デルやアップル、シャオミ、ファーウェイらが含まれる。ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイはBYDの株式の7.7%を保有している。

forbes.com 原文)

編集=上田裕資

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