WRAPによると、牛乳は、ジャガイモとパンに次いで英国で3番目に多く廃棄される食品・飲料品目。しかし、その生産には多くの資源を必要とし、三つの食品の中で最も二酸化炭素を排出します。モリソンズは「牛乳1リットルの生産は最大4.5kgの二酸化炭素に相当する」としています。
国連環境計画の推計によると、毎年9億トン以上の食品が世界で廃棄されており、これが世界の二酸化炭素排出量の8%から10%を占めるといいます。
つまり、食品廃棄は気候変動の大きな要因になっているのです。また、食糧難を招き、生物多様性の消失と汚染を助長します。
期限表示の用語
「賞味期限」は食品の品質に関するものであると、欧州食品情報評議会(EUFIC)は説明しています。一方、消費期限は、食品の安全に関わるものです。
EUFICは「消費期限を過ぎた食品は避ける必要があるが、賞味期限を過ぎた食品は、見た目やにおい、味に問題がなければ食べてもよい」としています。
米国の食品表示に関する記事の中で、ニュースサイトVox(ボックス)は、食品の日付表示が初めて登場したのは第二次世界大戦後、消費者が農家や小さな食料品店ではなくスーパーで買い物をするようになり、「棚にある最も新鮮な食品」を求めるようになった頃だと述べています。しかしボックスは、食品の期限が「実際に食品が悪くなったり腐ってしまう日付と一致することはほとんどない」としています。
食品廃棄物を減らすため、一部のスーパーでは商品の賞味期限を廃止しています。 Image: European Food Information Council
期限をめぐる混乱
ボックスは、「The Dating Game(日付のゲーム)」と題する2013年の画期的な研究を引用し、「消費期限」、「賞味期限」、「販売期限」、「品質保持期限」といった食品の日付表示は、一貫性がなく混乱を招くものであると結論づけています。
この複雑なシステムのために、米国では「かなりの量の」回避可能な食品廃棄が発生し、食べられずに捨てられる食品は40%に上ると言われています。
論文の著者であるHarvard Food Law and Policy Clinic(ハーバード・フード・ロー・アンド・ポリシー・クリニック)とNatural Resources Defense Council(天然資源保護協議会)は、米国で使用される真水の4分の1以上が、この無駄な食料の生産に「浪費」されていると指摘しています。両団体は日付表示の標準化を求めると同時に、1974年以来、米国では1人当たりの食品ロスが50%増加していることを指摘しています。