経済・社会

2022.09.05 08:15

大離職時代を経て、米国では退職を先延ばしする人が増加


長年にわたるギャラップ調査では、実際の退職年齢と、当初予定していた退職年齢のあいだに差がある場合があることがわかった。多くの人は、若いころに予定していた年齢と比べて数年早く退職している。

2002年の調査をみると、退職年齢は平均で59歳だが、もともと考えていた退職年齢は63歳だった。見込みと現実の差は、年を追って少しずつ広がってきた。その差が7年と最も大きかったのは2012年だ。退職すると見込んでいた年齢は平均で67歳だったが、実際には60歳で退職していた。

予想よりもスムーズに経済的な自立を果たしたことで、退職を早めた人もいる。しかし、多くの早期退職は、自ら進んで行われたものではない。本人や家族の健康に問題が生じて仕事を辞める人もいる。あるいは、職を失ったあとに適切な再就職先が見つからなかったため、仕方なく退職する人もいる。

理由がなんであれ、退職前の労働者も、すでに退職した人も、退職の計画はいったん決めたらもう変えられないわけではないことを肝に銘じておこう。退職を巡っては、計画に柔軟性をもたせる必要がある。あれこれ見込んだり想定したりしても、実際の状況はきっと異なるだろう。退職の計画は、定期的に見直し、状況の変化に応じて調整していかなくてはならない。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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