ガーマンは、今回のイベントの招待状の背景に宇宙空間が描かれていることから、これが人工衛星を介した通信サービスの開始を示唆していると指摘した。「この機能は、緊急メッセージ(Emergency Message)と呼ばれるもので、山や海などの通信キャリアの電波が届きにくいエリアに居る場合でも、警察や救急隊に救助要請を行えるよう設計されている」と彼は述べている。
ガーマンによると、この機能は電波が届きにくい場所に行く可能性があるすべての人を対象としたもので、船舶や航空機の事故、銃撃事件などの緊急事態の通報にも役立つという。アップルは、この機能をベースに、同社のデバイスのコネクティビティをさらに広げていく見通しだ。
「通信キャリアの電波が届かない場所でも、緊急通報が行えるiPhoneは、アップルが計画していることのほんの始まりに過ぎない。同社は将来的に、ユーザーがグローバルなインターネットアクセスを持ち、衛星回線を使って電話をかける未来を想定しているのかもしれない。高速な5Gネットワークと衛星通信サービスの組み合わせは、iPhoneを最も強力なグローバル通信デバイスに変える」と、ガーマンは述べている。
アップルは、以前から衛星を介した通信の可能性を探っていたと関係者は述べており、もしも技術的に可能であればスティーブ・ジョブズは最初のiPhoneを、通信キャリアに頼らない端末にしたはずだとも言われている。
ガーマンは、この機能がいつかApple Watchにも搭載される可能性があると考えている。衛星通信機能は、エクストリームスポーツの愛好家向けと予想されるApple Watchの Proモデルにもふさわしいものになるだろう。ただし、今年のiPhone 14シリーズと一緒に公開されるWatchには搭載されず、将来的なモデルになると予想されている。
ガーマンは、昨年のiPhone 13シリーズの発表の前にも衛星通信機能の搭載を予想していたが、それは実現しなかった。今年のiPhone 14には、おそらくこの機能が搭載される見通しだが、筆者としては、Proモデル限定になるのではないかと考えている。
(forbes.com 原文)