今回は、巷で話題のメンズヘア美容院をプロデュースしているPERCUT代表取締役の川口達也さん。原宿の有名美容院を拠点に、雑誌での活躍や海外での修行を経て独立。現在、東京、千葉、名古屋、大阪に9店舗を構え、今、最も勢いのある美容業界を牽引する経営者。
ハイクオリティな仕上がりと居心地の良さを掲げているサロンが多いなか、川口代表の「売り」は、プロの仕上がりを自宅で再現出来る「カット技術」と「似合う髪型への提案力」にある。また、シャンプー&ブロー込のカット料金が3850円という価格設定と、下北沢北口店で実施されている最新ロボット(ペッパー君)による接客も話題だ。
それは、お客が4つの質問に答えるだけで、64タイプのヘアスタイルのアプリを搭載したペッパー君が、その人に似合うヘアスタイルを提案するという新しい試み。そんな既成概念にとらわれないサロン経営のトップを走る川口代表の「推しメシ」とは?
流行のイタリアンレストランや、映える自作料理が出てくると思いきや、「栩翁S(くおうえす)の、素材や器にこだわった日本料理です」と、南青山にあるシックな和食店を挙げてくれた。
「栩翁S」(くおうえす)は、全国から選りすぐりの食材を、シンプルな料理に仕上げ、同名の雅号を持つ人間国宝・石黒宗麿や、北大路魯山人の器で料理を提供する、こだわりの和食店。「全てにこだわる店主は、食材の産地に自ら出向き、現地の方と一緒に農作業するほど、素材との向き合い方が真剣。食べているこちらにも伝わってきます」
瀟洒なマンションの自宅で、様々なアート作品に囲まれて暮らしている川口代表。投資目的で現代アートを買う人が多いなか、部屋に飾ったアートをひたすら愛でる哲学を貫いている。つまり、自分自身で楽しむ為だけにコレクションしている生粋のアート好きだ。自身のアートコレクションを公開しているHP「KAWAGUCHI COLLECTION」では、ギャラリー情報も掲載したりと、気負わず生活の一部に溶け込む、アートに対する審美眼の高さが伺える。
「特別な陶器を使っている『栩翁S』を訪ねたのが、この店との出会いでした。仕事でいっぱいいっぱいになったとき、本質に立ち返りたいときに、素晴らしい器と素材を活かした料理をいただくと、選択と集中の大切さを思い出させてくれるのです」
一期一会ともいうべき体験もしたという。
「店主と陶器について色々と話をしていき、店主が贔屓にしている陶芸家の田中佐次郎先生のぐい呑みと、金重 愫先生のとっくりを購入する事になりました。すると、購入したばかりの器に、その場で日本酒を入れて使わせてもらい、器と日本酒のマリアージュを楽しめたのは、最高にして新鮮な体験でした」
栩翁S(くおうえす)
住所:港区南青山7-14-6 南青山TCビル1階
TEL:03-3498-5855