取引高の半分以上がフェイクの可能性
1.その結果、報告された取引高の半分以上が、フェイク(偽物)か、非経済的なものである可能性が高いことを発見した。フォーブスは、今年6月14日の世界のビットコインの1日の取引高が1280億ドルだったと試算しているが、この金額は、複数のソースの自己申告による取引量の合計の2620億ドルを51%も下回っている。
2. ビットコインの取引において支配的な存在であり続けているのがステーブルコインのテザー(USDT)だが、このコインには、裏付け資産に関する疑問が指摘されているのにも関わらず、現在の時価総額が680億ドルにも達している。
3.ビットコインの1日あたりの取引ボリュームについては、上位21の取引所が1日で10億ドル以上を取引し、それに次ぐ33の取引所がスポット、先物、永久先物(Perpetual futures)などのすべての取引で、2億ドルから10億ドル未満のボリュームを持っている。
永久先物は、投資家がポジションをロールオーバーする必要がない先物契約で、この分野のトップのバイナンスが27%のシェアを持ち、FTXがそれに続いている。スポット取引ではバイナンス、FTX、OKXが上位3社となっている。ビットコイン先物取引では、シカゴに本拠を置くCMEグループが市場をリードしている。
4.偽の取引ボリュームに関する最大の問題は、取引所の多くが規制上の監視をほとんど、あるいは全く受けずに運営されていることで、バイナンスやMEXC Global、Bybitなどがその一例と言える。
5.ステーブルコインや永久先物のような取引手法は、暗号通貨市場を規制する各国の当局の悩みの種となっている。オフショア取引所は、そのプラットフォーム上で米ドルの流動性を生み出すツールとして、この手法を用いている。
6.月単位で暗号通貨取引所のウェブサイトを訪れる人々の数は、世界で5億7300万人に達している。
暗号資産運用会社のBitwiseは、2019年3月にSECに提出した資料で、CoinMarketCapに表示されるビットコイン取引量の95%がフェイクだと報告していた。フォーブスは、今回のレポートが、それらの重要なレポートに続くものになることを期待している。調査の詳細は、フォーブス米国版の記事で確認できる。
(forbes.com 原文)