今回のアワ土は、2016年にホワイトハウスが立ち上げ、2022年にバイデン大統領が支持した「キャンサー・ムーンショット」の一部であるTelehealth Research Centers of Excellence (TRACE)4拠点の設立に使用される。キャンサー・ムーンショットは、今後25年間でがんによる死亡率を少なくとも50%削減すること、がんとともに生きる人たちとその家族の経験を向上させることといった目標がある。
「キャンサー・ムーンショットの目標の1つは、患者とその家族や介護者にとって、がん体験の負担を軽減することです」と、NCIのがん制御・人口科学部門(Division of Cancer Control and Population Science、DCCPS)ディレクターであるカトリーナ・ゴダール博士は、同機関のニュースリリースで述べた。「私たちは、遠隔医療ががん治療全般に渡る健康状態の改善にどのように貢献できるかをより良く理解するために、これらの卓越したセンターにアワードを授与しています」
遠隔医療とは電話、電子メール、テキストメッセージ、ビデオ会議などさまざまな通信技術を用いて、医療従事者が遠隔地から提供する医療のことだ。パンデミック時に遠隔医療の利用は大幅に増加したが、がん医療にどのように展開するのがベストなのかは、まだ実証的に研究されていない。
4つのセンターは予防からスクリーニング、診断、治療、サバイバーシップまで、遠隔医療をどのように利用できるかを研究する予定だ。発表によると、各センターは「病院、がんセンター、腫瘍診療所、プライマリーケアオフィスなどの実際の臨床現場で大規模な試験を実施するために、多様な研究者のチームを集めた学術機関が主導する予定」だ。
このアワードは、資金が確保されるまでの間、5年間に渡って授与される予定で以下が、4つの受賞センターだ。
・The Telehealth Research and Innovation for Veterans with Cancer (THRIVE) Telehealth Research Center。ニューヨーク大学グロスマン医学部が主導するこのセンターは、退役軍人健康管理局と協力して、人種や民族、貧困、地方在住などの社会的要因が、がん治療における遠隔医療の利用にどのような影響をおよぼすかを研究する。