ビジネス

2022.08.26 07:45

米小売店のラストワンマイル配送サービスの競争が激化


ウォルマートと真っ向から対決するアマゾンは2022年8月はじめ、一部の都市圏で、プライム会員向け当日配送サービスの対象に、実店舗ブランドを追加すると発表した。また、生鮮食料品の高速配送サービスも拡大を目指している。

米小売大手ターゲットも動き出している。2022年7月には、全売上の20%を占めているeコマースの注文品仕分け施設を3カ所新設すると発表した。ターゲットは、2017年に買収した食料品配送スタートアップのシプトや、ロジスティクスソフトウェア企業2社を傘下に持っている。

直近で話題を提供したのが、カジュアル系ファッションブランド、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズのロジスティクス事業、クワイエット・プラットフォームズ(Quiet Platforms)だ。クワイエット・プラットフォームズは、「アンチ・アマゾン」と称される他の小売店向けに、「プラグ&プレイ方式」配送ネットワークを立ち上げている。

同様の配送サービス構築の動きは、他にもある。しかし問題は、市場シェアに影響を与えるかどうかわからないサービスに多額が投じられており、消費者にとって新分野が切り拓かれる可能性が低そうなことだ。2022年5月に発表された予測によれば、北米でラストワンマイル配送に投じられる額は、今後4年で750億ドル近くに上るとみられている。

一方で、少なくとも食料品配送の需要は、いまのところ低下しているようだ。インフレの影響を受け、消費者が配送料やチップへの出費を抑えようとしているからだ。AP通信による8月の報道によると、米消費者が2022年6月に食料品配送にかけた金額は、2年前と比べて26%減となった。同時に、食料品の店舗受け取り需要も10.5%減少した。

ラストワンマイル配送サービスに力を入れる価値があるのかについては、熟考が必要だ。消費者が実際にどう思っているのかについて、私は知りたい。知りたいと思わない者はいるのだろうか。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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