ビジネス

2022.08.26 12:00

イケア、インドでオフィス+モールのコミュニティ施設を建設へ

Ingka Centres, the property arm for IKEA, broke ground in India last week on a huge scheme. INGKA CENTRES

イケアと言えば、顧客が夢の家を実現できるよう、製品をフラットなパッケージにして提供するのが得意な会社だ。そんなイケアは一方で、未来の姿を立体的に描いている。

イケアのショッピングモールを運営するインカ・センターズ(投資会社インカ・グループの不動産部門)は、すでに小売業にはあまり興味がない。ショッピングモールについても、もう話題にするつもりはないようだ。

それよりも、インカ・センターズのマネージング・ディレクターで、好感度抜群のシンディ・アンデルセン(Cindy Andersen)が話題にしたいのは、「イケア・ミーティングプレイス」だ。ミーティングプレイスは中国で展開中のほか、2022年8月16日にはインドにも建設することが発表された。ただし、アンデルセンは、このミーティングプレイスが何の目的で使われるのかはわからないと述べている。

インドのニューデリー南西部にあるハリヤーナー州グルグラム(旧称グルガオン)で進められているこの最新プロジェクトに、インカ・センターズは約4億ドルという決して安くはない資金を投じている。その規模を踏まえれば、「目的がわらかない」という発言はちょっと心配だと思うかもしれない。しかし、アンデルセンはどう見ても落ち着いた様子だ。そして、北欧的な無頓着さを漂わせながら、未知の領域に飛び込む最新プロジェクトについて「とても興奮している」と話す。インドの最新プロジェクトは、このほど着工されたばかりだ。

このイケア・ミーティングプレイスはほかにも、欧州や中国、さらに、今となってはあまり好ましくないロシアでも展開されている。その多くは、基本的にはイケアを中心にしたショッピングモールだ。西欧諸国ではおもに、都市部での展開へと舵を切り、ロンドン、ウィーン、ストックホルムなどに店舗を構えている。サンフランシスコにも近いうちにオープンする予定だ。

しかし、中国やインドでの新たな動きには、西欧のケースとは異なる点がある。1つ目は巨大なことだ。グルグラムに至っては面積が170万平方フィート(約15万8000平方メートル)を超える9階建てで、建設費は約4億ドルに上る。2つ目は、多目的な用途をもつ施設として構想されていることだ。

イケアをはじめとした小売店が入るのはもちろんだが、それ以外のスペースがどのような目的に使われるのかは、まだわからない。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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