イングランドの救急医療危機が毎週数百人の死亡原因になっている可能性

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フィナンシャル・タイムズの最新分析記事は、英国イングランドの救急救命に起こりうる危機に光を当てた。

チーフデータレポーターであるジョン・バーン=マードックの記事は、毎週最大500名の死がこの救急救命医療の「崩壊」に関連している可能性を示唆している。

病院における患者の入退院に関する深刻な問題が、数カ月にわたって救急車と緊急治療室の大幅な遅れの原因になっている。

バーン=マードックは、これらが英国家統計局が最近報告した同国における超過死亡数(想定された死亡数を超える死亡数)増加の背景にある可能性を指摘する。

多くの国が同様の期間における超過死亡の増加を報告しているが、イングランドとウェールズの年齢調整された数値は突出している。

高齢化などの自然な人口動態変化は、超過死亡の比率を変動させる原因になる場合もある。しかし、また何か別のことが起こっているように見える。



別の政府データから得た死因を考慮に入れ、バーン=マードックは彼の計算結果から新型コロナ死亡率を差し引いた。さらにデータを深掘りした結果、同氏は幅広い原因による死亡が予想されているよりも多いことを明らかにした。

「心臓血管、肝臓・泌尿器疾患、糖尿病などさまざまな疾病による死亡の増加は、単一の特定症状が新型コロナウイルス先行感染などによって悪化したことが原因ではないことを示唆しています。私たちはより幅広い機序が働いている可能性を検討しています……」と同氏はツイッターで述べている。
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翻訳=高橋信夫

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