ビジネス

2022.08.25 12:00

ファーウェイ創業者が「サバイバル」宣言、世界経済減速に備え

Ren Zhengfei(Getty Images)

中国のスマートフォン大手、ファーウェイ創業者の任正非(レン・ジェンフェイ)は今後の10年間、世界経済が後退期に入る中で、彼の会社が生き残りにフォーカスし、利益が乏しい部門を閉鎖する必要があると述べている。

現在78歳の任が社内文書で厳しい警告を発したことは、8月24日の金融ニュースの第一財経(Yicai)が最初に伝え、国営メディアの証券タイムズを含む現地メディアで広く報じられている。推定10億ドルの資産を保有する任は、どの事業を閉鎖すべきかについて説明していない。ファーウェイの広報担当者はコメントを控えた。

任は、ファーウェイが規模の拡大の追求をやめ、キャッシュフローと利益確保に専念するよう促している。第一財経が報じた社内文書で彼は、世界の消費が大幅に減少し、パンデミックや戦争を含むさまざまな要因から、今後3年から5年の間に好転することはないだろうと述べている。

「売上が下がっても、利益とキャッシュフローは増やさなければならない。利益確保のために奮闘しつつ、危機感を共有せねばならない」と、任は述べている。

ファーウェイが12日に発表した2022年上半期の利益は前年同期比50%減の151億元(約3000億円)に急減し、売上高は6%減の3016億元だった。非公開企業でありながら定期的に業績を報告している同社は、スマートフォンの売上が前年比25%減と低迷する一方で、通信事業者と企業向けソフトウェア部門の売上がともに増加したと発表した。

2019年から米国の制裁に直面しているファーウェイは、グーグルのAndroid OSを含む重要テクノロジーへのアクセスを制限されたことに加え、スマートフォン市場の減速にも悩まされている。調査会社IDCによると、中国メーカーの第2四半期のスマートフォン出荷台数は前年同期比14.7%減の6720万台で、世界全体の8.7%減よりも落ち込みが激しかった。IDCは、この低迷の原因が中国政府のゼロコロナ政策関連の規制と消費の落ち込みにあると述べ、下半期も需要の低迷が続くと予測している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事