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2022.08.29 07:30

暗号通貨ファンドのパンテラに聞く「クリプトの冬」の投資戦略

wee dezign / Shutterstock.com

暗号通貨とブロックチェーンに特化したベンチャーキャピタル「Pantera Capital」のパートナー、ポール・ベラディタキット(Paul Veradittakit)は、2014年に同社に入社して以来、100件以上の投資を手がけている。また、決済ソリューションのAlchemyやポートフォリオ管理ツールBlockfolioの取締役を務め、ブロックチェーンを活用した音楽配信プラットフォームAudiusのアドバイザーを務めている。

ここでは、Panteraが暗号通貨の冬と呼ばれる状況下でどのような投資を行っているか、投資先に何を求めているかについて聞いてみた。また、イーサリアムの「マージ」によって勝者になるのは誰か、次に成功するのはどのような企業かについても触れている。

──暗号通貨のベンチャーキャピタルは、従来のVCとどのように違うか?

クリプトの企業のファウンダーは匿名の場合もあり、シリコンバレー以外の地域に拠点を置いているケースも多い。そのため、デューデリジェンスのためのより多くの努力が必要になる。テレグラムやDiscordの動向を把握してコミュニティを評価することも求められる。ディールの構造もさまざまで、エクイティとトークンの適切なバランスをとることも重要だ。

──「暗号通貨の冬」は投資にどのような影響を与えていると思うか?

以前よりも時間をかけてディールの評価を行っている。弱気相場ではトークンのローンチが減少傾向にあるため、ラウンドの多くはエクイティになる。また、注目されているセクターの多くがインフラ系であることから、米国を拠点とする案件の割合が多いのも特徴になっている。さらに、フェイスブックやツイッターのような既存の大手を退職した人たちが、新たな企業を設立する動きも起きている。全体的に、現状の案件の多くは、機関投資家の参入を支援することに重点を置いており、コンシューマー向けの案件は減少傾向にある。

──投資先の候補のどのような点を注視しているか? また、特に注意が必要なポイントは?

案件の紹介を受けたら、まずは、その相手が過去にどのような実績を残しているかを調査し、ユースケースとポジショニングの優位性を確認する。また、技術面での差別化やチームの質、市場の大きさについても検証し、その会社の価値を高めるために何ができるのかを考える。最も大事なのは、起業家の人柄を見極めることだ。過大な約束をしておきながら、それを実現できていない場合は要注意だ。マーケティング面で大げさな話をしていると思ったら、さらに掘り下げてみることが必要だ。
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編集=上田裕資

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