キャリア・教育

2022.08.25 08:00

情報共有に悩むハイブリッドワーカーをデジタルとリアルの両面からケアしよう

安井克至

Getty Images

オフィスでフルタイム勤務をするのは気が滅入るが、フルタイムのリモートワークにも社会的な孤立や不可視化といった問題がある。最適なアプローチは、職場が大学のキャンパスのように機能し、柔軟性があり、共同作業や学習の場を提供するハイブリッドワークだ。

まあ少なくとも、それが理想の姿だ。しかし現実のハイブリッドワークはもっと複雑だ。

情報を探し出すストレスを考えてみてほしい。OpenText(オープンテキスト)が発表した、世界の2万7000人の管理職と従業員を対象とした最近の調査では、4人に3人以上の管理職と従業員にとって、それが日々のストレスとなっていることが明らかになった。増え続けるデータソース、情報の探しにくさ、ハイブリッドワークのための適切なデジタルツールの欠如、これらすべてが従業員のストレスレベル、パフォーマンス、仕事への満足度に影響をおよぼしている。

この調査では、回答者のうち26%もの人が、11個以上のアカウント、リソース、ツール、アプリを日常的に使用しなければならないと答えている。また、41%の従業員が、仕事のファイルや情報を探すために、1日平均1時間以上、会社のネットワークや共有システムを検索していると回答している。このため、ハイブリッド社員にとってはますます厳しい状況となる。

Kearney(カーニー)のリーダーシップ・変革・組織担当のキム・フルトンは「リモートワークとオフィスワークのバランスがどこに落ち着くかはまだわかりませんが、ハイブリッドが今後恒常的になることは間違いありません」と述べている。「従業員は、生活の中で自律性と柔軟性が高まることに価値を見出していますし、雇用主は、ハイブリッドワークによって生産性が安定、あるいは向上していることを認識しています」

しかし、ハイブリッドワーカーの場合は情報共有の問題が増大する。オープンテキストの調査では、ハイブリッドワーカーの少なくとも43%が、リモートワークのための適切なデジタルツールを「手にしていない、またはある程度しか手にしていない」と感じている。こうした従業員は、他にもさまざまな課題に直面していると感じており、自宅で作業していると、同僚と共同作業したりファイルを共有したりすることが簡単にできないと回答した人は4分の1以上(26%)におよんだ。また、リモートワークでは会社のファイルシステムやコンテンツに簡単にアクセスできないと回答した従業員も26%いた。ほぼ4分の1(21%)が、自宅とオフィスの間でデバイスを持ち運ぶのに苦労している。
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翻訳=酒匂寛

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