「管理職が逆ロールモデル」目指すべき人物がいない不幸な組織で起こること

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「管理職って神輿に乗っているだけで、自分では何もしようとしない。なんでも部下がやってやらないといけなくて、手間ばかりがかかる。正直言うと、邪魔」。上司としての本来の役割が認識されていないことや、そんな上司をそのままにしている組織への不信感が、社員のやる気を下げていることも少なくない。

こうして社員は、やる気を失っていく ~リーダーのための「人が自ら動く組織心理」』(松岡保昌著、日本実業出版社)から、若手が多い職場で重要な「ロールモデル」とは何か。そしてロールモデルが不在なときの弊害を紹介する。

「なんだかこの会社で昇進してもなあ」―将来像に魅力を感じられない組織


会社によっては、管理職の仕事ぶりや働き方が、働くメンバーのモチベーションを下げてしまっているケースがあります。

たとえば、急成長している会社や、部下もいるけれど自分も動く必要があるプレイングマネジャーの多い組織にありがちなのが、次のようなセリフです。

「管理職は、いつもなんだかやたらと忙しそうで疲れ切っている。仕事量や責任が増えるだけで、あまりいいことがなさそうだ」

「単身赴任や残業を厭いとわず、むちゃくちゃ仕事人間。おかげで家族とはうまくいっていないらしい。そこまでしないといけないかと思うと、ちょっと……」

などなど、メンバーに負荷の大きさばかりが伝わっていることがあります。

次は、大企業や歴史のある会社など管理職の比率の高い組織にありがちなケース。

「自分から飲みに誘っておいて、その席上でずっと会社や上司の悪口を言っている。管理職なんだから、それをなんとかしていくのがあなたの仕事だろって思うけど、そこまでのガッツはないらしい」

「うちの上司は役職定年間近で、まったくやる気がない。スゴロクで言えば、もう上がりって感じで残念。自分もそうなるのかと思うと、なんだかなあ」

「管理職って神輿に乗っているだけで、自分では何もしようとしない。なんでも部下がやってやらないといけなくて、手間ばかりがかかる。正直言うと、邪魔」
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編集=安井克至

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