スマートフォンが誕生する前のその頃のShazamは、音楽を再生しながら「2580」に電話するとテキストメッセージで曲名を教えてくれるサービスだった。この番号を覚えるのは大変だと思うかもしれないが、キーパッドの中央列の数字を上から順に押すだけなので、すぐに覚えられた。
筆者は、Shazamを初めて使ったときからその虜になった。当時は、リクエスト毎に料金が発生することが多かったが、知りたい曲を数秒で教えてくれる、非常に便利なサービスだった。
2018年9月にアップルに買収されたShazamは、今ではiPhoneの機能に組み込まれ、20年前と比べて遥かに多くのことができるようになった。ここでは、Shazamの歴史におけるハイライトをいくつか紹介しよう。
初めてShazamされた曲は、正式ローンチ前のソフトウェアを使って2002年4月19日にリクエストされたT・レックスの「Jeepster」だった。
ShazamのiOS版アプリは、2008年にアップストアがオープンしたときの初期アプリの1つだった。このアプリで初めて曲検索が行われたのは2008年7月10日のことで、楽曲はエイミー・マンの「How Am I Different」だった。ちなみに、Android版アプリは、2008年10月にリリースされた。
検索最多アーティストはドレイク、3億5000万回
より興味深いのは、最も多く検索された楽曲についてだ。検索回数が最初に1000件に達したのは2002年9月のことで、楽曲はエミネムの「Cleanin’ Out My Closet」だった。初めて100万件に達したのは、それから約8年後の2010年2月のことで、楽曲はケシャ(Ke$ha)の「TiK ToK」だった。
検索回数が初めて1億回に達したアーティストは、2015年5月のデヴィッド・ゲッタだ。彼の作品があまりにもエキサイティングなので、多くのユーザーが曲名を知りたかったのか、それとも、何度聞いても彼のことを認識できないので検索回数が増えたのかどうかは不明だ。
これまでで最も多く検索されたアーティストはドレイクで、3億5000万回だ。彼の楽曲の中では、「One Dance」の検索回数が1700万回でトップとなっている。一方、検索回数が歴代1位の楽曲は、トーンズ・アンド・アイの 「Dance Monkey」で、4100万回だ。テキストベースのサービスだった時代に最も検索された楽曲は、ナールズ・バークレイの「Crazy」だが、アップルは検索回数を公表していない。
iPhoneユーザーは、コントロールセンターからShazamを起動することができるので、知りたい楽曲が終了してしまう前に迅速に利用することが可能だ。筆者はショートカットに設定しているため、iPhoneの背面をダブルタップするとShazamが起動する。Shazamは、一度使ったら手放せなくなる優れたアプリの1つだ。
(forbes.com原文)