複数の匿名情報筋の話としてCNNが伝えたところによると、ホワイトハウスは早ければ24日にも学生ローン免除プログラムを発表する可能性があるという。
プログラムの詳細はまだ流動的だが、バイデン政権は所得制限付きで借り手1人当たり1万ドルを免除する方向に「傾いている」とCNNは注意を促している。
この案はホワイトハウスが検討した以前の案と似ているが、同じではない。ワシントン・ポストは5月にバイデン政権が年間所得15万ドル以下(約2060万円)の借り手に1万ドルの学生ローン債務免除を検討していると報じ、当時のホワイトハウス報道官ジェン・サキは同月、年間所得12万5000ドルが基準として有力だと記者団に語った。
教育長官ミゲル・カルドナは8月21日、NBCの番組『ミート・ザ・プレス』で当局が学生ローンについて「来週あたり」に決定を下すと語った。バイデン政権は迫り来る期限に直面している。新型コロナウイルス感染症大流行を考慮した学生ローンと利息の支払いの猶予は、再び延長されない限り今月31日終了する。これにより借り手は2020年初頭以来となる毎月の支払いに直面する。
バイデン大統領は学生ローンの支払い猶予を繰り返し延長し、特定の学校に通った人などを対象にローン免除を提供してきたが、一部の民主党議員はバイデン大統領に、全員ではないにしてもほとんどの米国人の学生ローンの大部分を免除するよう圧力をかけている。
バイデン大統領は選挙戦で1人当たり1万ドルの学生ローンを免除したいと述べたが、議会の承認なしにそれ以上のことをする法的権限があるかどうか公然と疑問を呈しており、広範な免除プログラムがインフレ率の上昇を助長し、主に裕福な大卒の人に恩恵をもたらすかどうかを吟味していると伝えられている。一方、上院院内総務のチャック・シューマー(民主党)は、借り手1人当たり5万ドル(約686万円)の免除をバイデン大統領に迫り、一部の革新派は所得制限を設けることに反対している。学生ローン免除に関する世論調査は党派で分かれており、民主党は圧倒的にローン免除制度に賛成しているのに対し、共和党はほとんどが反対している。
CNBCが実施した世論調査によると、学生ローン免除が6月に40年ぶりの高水準に達したインフレを悪化させるのではないかと懸念している米国人の割合は59%にのぼった。回答者の約32%はすべての米国人の学生ローンを免除することを支持すると答えたが、34%は「必要な人」だけにローン免除した方がよいと回答し、30%は誰もローン免除を受けるべきではないと答えた。
経済学者ローレンス・サマーズは22日の一連のツイートで「不当に寛大な学生ローン救済」を求める声に反論し、広範囲の債務免除プログラムはインフレを助長し、大学に行く余裕のない未来の学生を助けることはできないと主張した。クリントンが大統領だったときに財務長官を務めたサマーズは、政権は支払い猶予期間を延長すべきではなく、もし永久に債務免除することを決めたとしても「真に中流階級所得の人々」に数千ドル(数十万円)の救済を提供するに留めるべきだと述べている。
(forbes.com 原文)