ここでいうソフトウェアの自由(フリー)とは、無料で使えることだけでなく、プログラムの研究や改編、配布することなども認める自由も含みます。最近では、フリーソフトウェアはさまざまなシステムやデバイスに組み込まれていることが多く、わたしたちも知らず知らずのうちにフリーソフトウェアのお世話になっているのです。
ソフトウェアの生みの親は、イギリスの数学者アラン・チューリングだとされています。彼はソフトウェアそのものを作った人物ではありませんが、「チューリングマシン」という計算を行なう自動機械の数学的なモデル、言い換えれば抽象化されたコンピューターを考えました。
コンピューターやスマホはもちろん、電卓もまだ無かった時代に「考える機械」を思いついたのです。
チューリングはチューリングマシンの考案のほかにもドイツ軍の暗号「エニグマ」を解読する機械を開発した業績でも知られています。チューリングがエニグマを解読したことにより連合国側は戦争で優位に立つことができたのです。
このような功績を残したにもかかわらず、同性愛者だという理由でチューリングは逮捕され、女性ホルモンの投与をされてしまいました。当時のイギリスでは同性愛が違法であったため、チューリングは世間的にも批判され、エニグマ解読の功績もはく奪されてしまったのです。
逮捕から数年後の1954年、チューリングは自殺で亡くなってしまいます。
このようにチューリングは多大な功績を残したにも関わらず、時代に恵まれず不遇な最期を遂げます。しかし彼の偉業は現在では正当に評価されており、現在のIT時代の発展を支えているといっても過言ではありません。
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