これを受け、シグニファイの株価は22日の市場で24%急騰して28ドルをつけ、時価総額は66億ドル(約9000億円)に上昇した。WSJは今月始めシグニファイが、売却の可能性を探るために銀行と話し合いを進めており、CVSヘルスが買収に関心を示していると報じていた。
ウィリアム・ブレアーのアナリストのマット・ラーリューは、シグニファイが米国の公的医療保険プログラム「メディケア・アドバンテージ」層の膨大なデータを収集していることから、医療分野でのリーチを広げようとする大手小売業者にとって、価値のある買収になると22日のメモで述べている。
ブレアーは、80億ドル以上の買収となれば、株価は34ドル程度となり、現在の水準から17%上昇することになると指摘した。シグニファイの株価は年初から86%上昇している。
アマゾンのアンディ・ジェシーCEOはヘルスケア業界への進出を最優先事項としており、先月は約39億ドルで医療サブスクリプションサービスの「ワン・メディカル」を買収していた。
ダラスを拠点とするシグニファイの株価は、2021年2月のIPOで約5億6400万ドルを調達し、70億ドル以上の評価額を記録して以来、低迷していた。同社の株価は、22日の急騰以降も、IPO直後の高値を約20%下回っている。シグニファイは今月初め、介護サービスへの注力を停止し、収益性の高い在宅サービス部門を優先するという計画の一環として、全米で489人の従業員を解雇していた。
シグニファイは、キャシー・ウッド率いるアークインベストの上位保有銘柄の1つでもある。アークインベストは、2億ドル以上のシグニファイ株を保有しているが、先週は約1200万ドル相当を売却していた。アークインベストは、遠隔医療サービスのTeladocの株式も大量に保有している。