ヴァギト・アレクペロフ 105億ドル
4月に英国の制裁対象となり、独立系石油大手ルクオイルのCEOを辞任。カスピ海で石油掘削に従事し、旧ソ連政府の石油ガス副大臣を務め、1991年に国営ルクオイルを設立、2年後に民営化した。現在、世界の石油の2%を生産する。オランダのヘッセン・ヨットを所有。16年に約70mのヨット「ギャラクシカ・スーパー・ノヴァ」が建造された。
アンドレイ・グリエフ 48億ドル
リン酸肥料メーカー・フォスアグロの副会長。元共産党委員会リーダー。ロシアのもと実業家で現在は英国で亡命生活を送るミハイル・ボドルコフスきーの投資会社めなテプでキャリアをスタート。2003年、逮捕されたボドルコフスキーが保有していたフォスアグロ株を買い取った。ロンドンでバッキンガム宮殿に次ぐ大きさのウィタンハーストを所有。
ウラジーミル・リシン 184億ドル
オーストラリアから制裁。鉄道製品の大手ノボリペツク(NLMK)グループの会長。1990年代、アルミ製錬所に出資する取引業者の集まりトランスワールドクループの工場を経営。2000年にNLMKのオーナーとなった。1995年には、地元政治家の死に関連してロシア警察から事情聴取を受けたとされるが、本人は否定している。ライフル射撃の愛好家。
レオニード・ミへルソン 140億ドル
天然ガス大手ノバテクの創業者兼会長。2017年に石油化学会社シブールの株式17%をプーチンの元婿であるキリル・シャマロフから購入、持ち株を48%とした。米国、EU、英国から制裁を受けるゲンナジー・ティムチェンコはノバテク、シブール両社のパートナー。2021年、シブールはタタールスタン共和国に豊富な資産をもつTAIFグループと合併した
ドミトリー・リボロフレフ 66億ドル
1990年代に民営化されたばかりの株式投資、殊にロシア最大のカリウム肥料メーカー・ウラルカリへの投資で財を成した。2010年に同社株を53億ドルで売却。モナコのペントハウス「ラ・ベル・エポック」に4億ドルを投じるなど、欧州の不動産に約10億ドルを投じた。また、ギリシャのスコルピオス島やサッカーチームのASモ ナコも所有している。
プーチンが大統領に就任して以降、オリガルヒは一貫して増加傾向にある。2009年のリーマンショックでは、オリガルヒたちも株価の暴落などで資産を減らし、損失を被った。2014年は、ロシアによるクリミア併合 後に制裁対象になったオリガルヒが11人いた。今回のウクライナ侵攻では、23人が制裁対象となり、資産の凍結や接収の影響を受けている。