アリシェル・ウスマノフ 115億ドル
EU、英国、米国から制裁。ウズベキスタン出身。国営ガスプロムの投資子会社で会長を務めていた2009年、投資家ユーリ・ミルナーと共にFacebookはじめハイテク新興企業に投資。英サッカー・プレミアリーグ、アーセナルやエバートンへの出資でも知られる。約6億ドル、全長約160mのヨット「ディルバー」は制裁のため独ハンブルク港で凍結中。
ウラジーミル・ボグダノフ 9億ドル
米国から制裁(2018年から)。西シベリア、スルグトに本社を置く石油大手スルグトネフテガスのCEO。1984年に33歳で就任して以来、90年代の民営化後もトップに立ち続けてきた。高い買い物をしない倹約家として有名。石油ガス産業、国家への貢献をたたえられさまざまな勲章などを得ている。2016年にプーチンから「ロシア連邦の労働英雄」を受勲。
ミハイル・グツェリエフ 13億ドル
EU、英国(2021年)から制裁。カザフスタン出身。ロシアとベラルーシに金融、メディア、産業の権益をもつコングロマリット、サフマーを率いる。ベラルーシの独裁者アレクサンドル・ルカシェンコの「長年の友人」としてEUから制裁を受けた。2機のジェット機は、3月19日と20日にそれぞれモスクワからドバイとイスタンブールへ飛び立った。
ユーリ・コヴァルチュク 13億ドル
EU、英国、米国(2014年)から制裁。ロシアの事実上のナンバー2で、米国政府はプーチンの「親密なアドバイザー」「金庫番」と見なす。制裁中のロシア銀行の筆頭株主であり、持ち株会社のナショナル・メディア・グループを通じてニュースを厳しく管理している。パナマ文書によると、プーチンの娘の結婚式が行われたスキーリゾートの所有者。
ボリス・ローテンベルク 10億ドル
米国(2014年)、英国(22年)から制裁。アルカディ・ローテンベルクの弟で、ビジネスパートナー。アルカディとSMP銀行を共同経営している。妻のカリーナと共に、仏リビエラに3軒の別荘、米アトランタに400万ドル相当の家を3軒所有。フィンランドで柔道指導者の経験があり、同国の市民権をもつ。そのため、EUの制裁の対象にはならなかった。
ゲンナディ・ ティムチェンコ 113億ドル
米国(2014年)、EU、英国(22年)から制裁。投資会社「ヴォルガ・グループ」のオーナー。ソ連時代末期、国営石油輸出会社を経営し、民営化後は最大株主となって財をなした。1990年代、ローテンベルク兄弟と共に柔道クラブ「ヤワラ・ネヴァ」を立ち上げ、プーチンと親交を深めた。ロシア国内ホッケーリーグKHLの会長も務める。
オレグ・デリパスカ 17億ドル
米国(2018年)、英国(22年)から制裁。00年に自身のシベリア・アルミニウムとロマン・アブラモビッチのミルハウス・キャピタルのアルミニウム資産を合併し、ルサールを設立。前妻はボリス・エリツィンの継孫娘。ワシントンDCやロンドンの邸宅など、所有する海外不動産は約14億ドル相当。ヨット「クリオ」が最後に目撃されたのはモルディブだった。
スレイマン・ケリモフ 44億ドル
米国(2018年)、EU、英国(22年)から制裁。ロシア連邦議会の上院議員。08年の金融危機で数十億ドルを失ったが、その後、金鉱山会社ポリウスに資金を投じて新たな富を築いた。フランスで所有する合計2億8,000万ドル相当の4軒の別荘に関連し、脱税容疑で米国の制裁対象に。所有するスーパーヨット「アマデア」はフィジーで接収された。