アレクセイ・モルダショフ 132億ドル
EU、英国から制裁。ロシアの鉄鋼大手セベルスタリの大株主。1992年、27歳のときに民営化された最初の工場を格安で購入した。サルデーニャ島の1億1,500万ドルの別荘はイタリア警察によって接収。全長141mのヨット「ノルド」は3月29日に朝鮮海峡で目撃された。制裁と同日、鉱山会社ノルドゴールドの株式などの所有権を妻に移した。
アレクサンドル・ポノマレンコ 19億ドル
EU、英国から制裁。アレクサンダー・スコロボガトコと共に黒海のノボロシースク商業港を運営、会長も務めた。2013年にはアルカディ・ローテンベルクとともに、モスクワ近郊の空港のひとつシェレメーチェヴォ国際空港の近代化工事を受注。キーウ最大の商業複合施設オーシャンプラザの半分以上を所有する不動産大手TPSのオーナーでもある。
ヴィクトル・ラシニコフ 66億ドル
EU、英国から制裁。ロシア最大の鉄鋼メーカーマグニトゴルスク製鉄所(MMK)の整備士としてキャリアを始め、その後持ち株を約100%まで高めた。2011年までの14年間はCEOを務め、現在も取締役会会長。12年から娘も取締役となっている。所有する全長約140mのヨット「オーシャン・ビクトリー」は3月初旬にモルディブで目撃されたのが最後。
オレグ・ティンコフ 6.6億ドル
英国から制裁。さまざまな事業を経て、ビールの醸造、ロシア風餃子ペリメニの冷凍食品、そしてレストランで成功した。銀行を買収してオンライン銀行ティンコフ・バンクとし、2013年にロンドンで上場。20年2月には米国連邦税の脱税容疑で逮捕され、和解金として5億900万ドルを支払った。ロシアのウクライナ侵攻を批判している。
ピョートル・アーヴェン 43億ドル
EU、英国から制裁。1992年から元対外経済関係大臣。94年から2011年までロシア最大の民間銀行アルファバンクの頭取を務めた。ミハイル・フリードマンと共にEUの制裁に異議を唱え、3月3日にレターワンの取締役を退任。英国サリー州にある18部屋の不動産とイタリアにある440万ドルの別荘を含む3つの自宅が押収または凍結されている。
ワジム・モシュコビッチ 14億ドル
EU、英国から制裁。1990年代初めにアパート、ウオッカ、石油の販売からビジネスを始めた。その後、土地への投資で財をなし、畜産・穀物を扱う食糧大手ルスアグロを設立。2014年までの8年間は、ロシア連邦議会上院議員も務めた。慈善事業家でもあり、2017年には学校を設立。3月にルスアグロの持ち株を50%以下に減らし、取締役を辞任した。
ドミトリー・パンピャンスキー 9億ドル
EU、英国から制裁。1990年代、鉱物資源の豊富なウラル地方で金属工場を所有していた。98年にパイプ工場を買収し、2000年にはパイプメーカーTMKを設立。石油大手ガスプロムをはじめ各国の石油・ガス施設にパイプを供給する世界的な企業となった。4,200万ドル相当のスーパーヨット「アクシオマ」は3月、制裁によりジブラルタルで接収された。
レオニード・シマノフスキー 9.9億ドル
EU、英国、米国から制裁。ロケット工場の整備士としてキャリアを始めた。天然ガス大手ノバテクを支配するレオニード・ミへルソンの長年のパートナー。ノバテク株の2%弱を保有する。2003年からロシア連邦議会の下院議員を務め、予算・税制委員会の副委員長を担当。2月23日、EUの制裁対象となったロシア連邦議会議員336人の1人である。