2. 介護インフラへの投資も対象となる分野の一つです。また、この分野は雇用創出にもつながるため、経済への乗数効果も多くあります。政府は、物理的なインフラを強化するものとして、経済成長を可能にする介護インフラとヒューマンキャピタルへの投資を検討する必要があります。
3. 差別を容認することなく、金融サービスへのアクセス、インターネットアクセス、法的保護の強化など、アクセスや環境の整備に焦点を当てることも、世界の多くの地域で重要になります。このような施策は、不利な立場にある人々を含む、すべての人々が成功できる環境を整備するために不可欠なものです。
4. リーダーシップとロールモデルがきわめて重要になります。非政府組織、教育、パーソナルサービス、福祉分野では、リーダーシップを発揮する職位にいる女性の割合が40%を超える傾向にある一方、エネルギー、IT、製造、インフラなどの業界では20%を下回る傾向にあります。政治的リーダーシップにおいても同様です。企業や政治の分野でパイプ役を務めるリーダーを育成するなど、積極的なアプローチが必要なのです。
グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2022 Image: 世界経済フォーラム
5. 最後に、私たちは、将来に向けてより良い準備をし、多くの女性がこれから生まれる未来の産業や仕事に就き、世界の経済を設計ことが可能になるようにする必要があります。また、テクノロジー主導の経済が円滑に機能するためには、より多くの女性がAI(人工知能)、クラウドコンピューティング、データ、バイオテクノロジーなどの分野に参入して、将来に向けたこれらのシステムの設計において中心的な役割を果たすようにならなければなりません。企業が高校や大学まで遡って対策を実施することが重要です。
グローバル経済をより持続可能なものにするためには、レジリエンス(強靭性)と包摂性を定着させることが重要です。成長によってこの危機を脱するためには、新しい形のエネルギー、アイデア、リーダーシップも重要です。今は、ジェンダー・パリティを後退させるのではなく、私たち自身のために変化を加速させる時なのです。
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
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