キャリア・教育

2022.08.22 09:00

子どもたちが経済的格差を超えて友達になる場所の作り方

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論文を読み、報道を調べているうちに思い出すことがあった。拙著『Hybrid Homeschooling(ハイブリッドホームスクーリング)』のための研究における予想外の発見は、こうした学校の周辺に築かれたコミュニティの強さだった。親にインタビューしたとき、子どもにとっての学校のメリットだけに焦点を当てると思っていたのだが、まさか彼らにとってのメリットを話してくれるとは思っていなかった。
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ハイブリッドホームスクールの多くは、非伝統的なスケジュールに加えて、教育学的または宗教的に明確な所属を持っているため、同じような考えを持つ親たちが集まっている。このような親たちは、同じような収入、同じような人種、同じような政治的指向、同じような宗教を持たないかもしれないが、子どもはどう育てられるべきか、学校はどうあるべきかという哲学を共有している。それは(少なくとも私が研究していた頃は)主流から外れているため、彼らは自分たちと同じ考えを持つ人を見つけると、それにこだわった。違いは重要ではなく、似ていることが重要だったのだ。

しかし、最も重要なのは創造であった。ユヴァル・レヴィンのすばらしい著書『A Time to Build(ア・タイム・トゥ・ビルド)』に、スペインの哲学者ホセ・オルテガ・イ・ガセットの古い言葉が紹介されていた。彼は約100年前に「人はいっしょにいるために集まるのではなく、いっしょに何かをするために集まるのだ」と述べている。学校の設立もその1つだ。当時はつまらない争いに巻き込まれるには、やるべきことが多すぎた。人間だから揉め事もある。しかし、家族の中から真の友情が生まれ、支援の輪が広がっていくという話が次々に出てきた。

階級を超えた友情を育みたいなら、新しい学校を作るのを支援することも1つの方法だ。マリア・モンテッソーリは正しかったと思っている人、ルーテル派の人、子どもを自然の中の学校に通わせたいと思っている人、そういう人たちを見つけよう。同じ地域に住んでいるとか、同じ職業に就いているとかいう理由ではなく、そういう人たちをつなげよう。これらの学校に公的支援を提供し、裕福な家庭からの寄付や多額の授業料支払いに依存しないようにしよう。そして、子どもたちの教育を中心に、すばらしい新しいコミュニティを形成できるようにしよう。
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それは、5〜10世帯のマイクロスクールかもしれない。もしかしたら、パートタイムのハイブリッドホームスクールや、ホームスクールコーポレーションかもしれない。あるいは、フルタイムの伝統的な学校かもしれない。

友情を一元的に計画することは非常に困難だ。友情とその網が作り出すコミュニティは、無造作にそして有機的に発展する。最善の方法はそのようなつながりができるような条件を整え、邪魔をしないようにすることだ。新しい行動方針の方が賢明なのかもしれない。

翻訳=上西 雄太

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