クレア・カイン・ミラー、ジョシュ・カッツ、フランチェスカ・パリス、アーティッシュ・バティアの4人は、ラジ・チェティと社会科学者のチームによる2つの新しい研究について、ニューヨーク・タイムズのグラフィックを多用した派手な記事で上記のように述べている。
研究では、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)の概念と社会的流動性との関係をよりよく理解するために、7200万人の米国人のフェイスブックデータを活用している。研究者たちはその中で、とても興味深いものを発見した。ニューヨーク・タイムズの記者たちは「階級を超えた友情つまり研究者が『経済的つながり』と呼ぶものは、学校の質、家族構成、仕事の有無、コミュニティの人種構成よりも強い影響がある」とまとめている。
結果的に、高所得者と低所得者間の友情は経済的流動性に大きな影響を与える。低所得者に高所得者の友人が多ければ多いほど、経済的地位が向上する可能性が高くなる。
いっしょに何かをする。いっしょに礼拝をする。いっしょにスポーツをしたり、観戦したりする。そして、いっしょに音楽を作る……。人々はどのようにして友情を育んでいるのだろうか。
チェティの研究チームが発見したことは、教育上大きな意味を持つ。米国の公立学校制度が始まって以来、生徒を公立学校に集めれば米国社会に馴染み、クラスメートとの間に関係をもたらすことができると信じられてきた。しかし、チェティらは、経済的背景の異なる子どもたちを同じ学校に入れるだけでは十分ではないと主張する。その子たちが互いに仲良くすることができなかったり、その気がなかったりすれば、彼らは平行線の人生を送り続けることになる。
必要なのは、互いの違いが共通点ほど重要ではなくなるような共通のプロジェクトに参加できる包括的なコミュニティなのだ。
それはどのような場所なのだろうか。この研究の著者たちが、所得を超えた友情が育まれる場所の1つとして「教会」を挙げたのは驚くべきことではないだろう。研究によると「友人関係の偏りは、宗教施設では他の環境よりもずっと小さい。低所得者層が宗教団体で作る友人関係は、学校や近所で作る友人関係よりも階級を横断する可能性が高い」