現在収監中のロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイが「プーチン宮殿」と呼んだ黒海沿岸の大邸宅とプーチンのつながりは明らかだ。
ロシアの反体制派の指導者アレクセイ・ナワリヌイは今年1月、プーチンが黒海沿岸に推定19億ドル、敷地面積7000ヘクタールの豪邸を所有しているという暴露動画を公開した。ドローンによる空撮映像のほか、取材をもとに内部をCGで再現。建設費用は側近や国営企業トップらが負担したと指摘し、プーチンの不正蓄財と政財界との癒着を糾弾した。
この物件を10年前に3億5000万ドルで購入したとされるのが、やはりプーチンに忠誠を誓ったことで財を成したビリオネアのアレクサンドル・ポノマレンコなのだ。その後、21年にナワリヌイが創設し、リトアニアに本部を置く団体がこの件を告発するドキュメンタリー動画を発表すると、プーチンの長年の腹心であるアルカディ・ローテンベルクがこの邸宅の所有者は自分だと反論した。
ロシアの反体制派の指導者アレクセイ・ナワリヌイ
プーチンはまた、1800万ドルの「チャイカ」、1億2000万ドルの「グレースフル」、7億ドルの「シェヘラザード」の3隻のスーパーヨットも所有しているといわれている。シェヘラザードについては、やはりナワリヌイが3月に告発動画を発表している。
これらひとつひとつの詳細はともかく、プーチンがロシアという国の富を、自らの貯金箱ででもあるかのように好き勝手にしてきたことが問題なのだ。
2月に米財務省が指摘した通り、100億ドルのロシア政府系ファンドでさえ、プーチンの「裏金」なのだ。だが、プーチンが巨万の富よりもっと手にしたいのが権力であることは明らかだ。有無を言わさぬ権力者にさえなれば、ほしいものは何だって簡単に手に入れることができるのだから。