ライフスタイル

2022.08.30 12:30

ソニーと富士フイルムの大御所デザイナーが、会社の枠を超えて盟友となった理由

同じ時代を生きた理解者。会社のデスクにたまたま同じミニカーが!


堀切和久:この店(恵比寿「Sailin’ Shoes」)にいると、長谷川君と僕をつなぐ伝説のロック喫茶「チャーリーブラウン」を思い出します。当時、美大受験予備校が自由が丘にあったので、それを口実に、背伸びして通っていましたね。

当時よく聴いたのは、山下達郎や大瀧詠一、ホール&オーツ、ジミヘン、クラプトン、ドゥービー、チャカ・ カーンまで、ジャンルがバラバラなのもあのころでした(笑)。


ほりきり・かずひさ◎1962年、東京都生まれ。多摩美術大学卒。85年に富士フイルム入社。プロダクトデザインの代表作は「チェキ」シリーズ。2014年、同社デザインセンター長就任。17年にCLAYデザインスタジオを開設。18年、同社デザイナー初の執行役員に。

長くデザインを手がけてきましたが、音楽とデザインはよく似ています。音符の集合が音楽なら、ネジ1本の細かいものまで集合したのがデザイン。音楽というのは音符のロジックだけでなく、音符には表れないリズムが重要ですが、デザインも同じ。つくり手の理屈だけでなく、使い手・受け手の受け取り方まで含めて、作品や商品の評価になります。


堀切も高校時代にバンドを組み、ボーカルを担当。当時のバンド名は「クリーム」をもじって「ムーリク」。

同じ時代を生きてきた長谷川君とは、音楽の趣味から好きなデザイナー、デザインの考え方まで合致している。自由を好むデザイナーを束ねる苦労や、トップの孤独も分かち合える、貴重な存在です。

実はお互い、デスクに同じミニカーを飾っていることがわかった。映画『ブレードランナー』のためにシド・ミードがデザインした未来のパトカー「ポリススピナー」。これも、偶然だけど必然かな。


思い出深い山下達郎の名盤。今年のライブには何としても行きたいと、2人でチケット抽選に応募。


「エグゼクティブ異種交遊録」は、能動的に出会いを求めるアクティブな経営者たちを繋ぐ「場」と「機会」を提供するコミュニティ、Forbes JAPAN SALONの会員をつなぐ連載です。

文=松下久美 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN No.096 2022年8月号(2022/6/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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