その後のフォーブスの取材で、ニューマンが新たに設立したFlowが、既に発表済みの不動産管理ソフトに加え、暗号通貨を保管できるデジタルウォレットを立ち上げる予定であることが判明した。しかし、Flowの広報担当者のDavidson Goldinによると、このウォレットは同社が管理する物件の賃貸料の支払いには使えないという。
フォーブスは、Flowの採用担当者からプロダクトマネージャーの候補者に送られたLinkedInのメッセージを入手した。そこには、「アダム(ニューマン)は、独自の支払いシステムを持つ次世代の多世帯不動産管理システムを構築している。そのシステムには、完全な金融サービスウォレットやトークン化された報酬プログラム、暗号通貨による支払いが含まれる」との記述があった。
しかし、Goldinによるとこの求人情報はFlowの依頼を受けて採用活動を行ったCoda Recruitmentの社員が執筆したもので、多くの誤りが含まれているという。彼によると、Flowがアパートの賃貸料として暗号通貨の支払いを受けることはないが、報酬プログラムに暗号通貨が含まれる可能性はあるという。
Flowがデジタルウォレットを提供するというニュースは、住宅用不動産市場におけるニューマンの野望をより明確にするものだ。ニューマンは、WeWorkのCEOを解任されて以来、テネシー州ナッシュビルやコネチカット州ノーウォークなどの不動産物件を購入し、不動産管理ソフトアのAlfredなどに投資してきた。
WeWorkの元最高プロダクト責任者でニューマンの義兄であるクリス・ヒルがCOOを務める不動産会社のFOL Managementも最近、クリプト関連の求人を行っていた。同社は、ブロックチェーン関連の知見を持つWeb3のエンジニアを募集しており、その業務内容は「新たなテクノロジーで賃借人の経済的エクスペリエンスを再定義すること」とされていた(この記事の掲載後に、求人はウェブサイトから削除された)。
別のブロックチェーン企業も設立
ニューマンは、ブロックチェーン上で炭素クレジットを販売し、取引記録を管理するスタートアップの「Flowcarbon」も共同創業しており、5月の調達ラウンドでa16z から7000万ドルを調達していた。しかし、同社は暗号通貨市場の市況が悪いことを理由にトークンの販売を延期した。
マーク・アンドリーセンは15日のブログで、a16zがFlowを支援しているのは、ニューマンの会社が現在の住宅危機に対する「直撃弾」であり、米国の成長が世帯数の増加に支えられているからだと述べていた。
彼は、Flowの事業内容の詳細には言及していないが、いくつかのヒントを提示した。「現状のシステムでは、何十年も家賃を払い続けても、所有する不動産はゼロだ」と彼は書いていた。フォーブスはa16zにコメントを求めたが、返答は得られなかった。