ファイザー製ワクチンの感染予防効果、10代でも数週間で急減 重症化は防ぐ

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ファイザーとビオンテックが開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンの10代の子どもでの感染予防効果は、接種後数週間で急速に低下することがわかった。韓国で実施された調査研究の結果が17日、医学誌JAMAネットワーク・オープンに発表された。新型コロナワクチンに関してはこれまでに成人でも同様の結果が報告されている。

研究では、2021年7月〜2022年1月末を対象期間として韓国の12〜18歳およそ320万人を調査。その結果、両社製の新型コロナワクチンの感染予防効果は時間がたつにつれて弱まり、接種から早くも30日後には「限定的」な効果しかなくなっていたことが明らかになった。研究は査読を経ている。

調査対象者のうち、約2万9300人はワクチン接種後に新型コロナの陽性反応が確認されていた。ただ、医療機関で人工呼吸器や腎代替療法といった大きなサポートが必要になった重症患者は11人だった。

81%超はワクチンを少なくとも1回、75%は2回接種しており、3回目の接種を受けていた人も9%いた。未接種者は調査対象者のうちごくわずかだったにもかかわらず、感染者の過半数(55%)を占め、重症患者11人も全員ワクチンを接種していなかった。

新型コロナワクチンは、接種後、感染に対する防御力が急速に低下する一方、重症化に対しては強い防御力を保つことがほかの研究でも示されている。研究チームは今回の研究もそれらと一致する結果になったと述べている。

また、重症化を防ぐ効果が持続するという結果からは、10代を重症の新型コロナから守るにはファイザーのワクチンを2回接種するので十分な可能性もあるとしている。

現在広く使われている新型コロナワクチンは、2020年に見つかったオリジナルの株を基にしているが、最近広がっている変異株はそれとかなり違ったものになっている。そのため、ファイザーやモデルナなどの大手ワクチンメーカーは今後の追加接種に向けて、オミクロン株など新しい変異株に対応した次の世代のワクチンを開発している。

英当局は今週、新型コロナウイルスの従来株とオミクロン株の両方に対応したモデルナ製ワクチンを世界で初めて承認している。

編集=江戸伸禎

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