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2022.08.20 08:00

NYで「焼酎」人気の上昇に期待が高まる理由


似ているようで原料も製法もまったく違う焼酎とソジュだが、米国ではその後、これらは明確に区別されていない。そして、この“混同”は焼酎を製造・販売する側が自ら引き起こしたものともいえる。

ボトルに貼るラベルに「ソジュ」と表示することで、カリフォルニア州の巨大市場への参入が可能になるとしたら、醸造元はどうするだろうか──?同州では多くの焼酎が「ソジュ」として販売されている。

ただ、独自の伝統を守るために代々努力を続けてきた蔵元が、誇りを持って造った自分たちの焼酎を「ソジュ」と呼ぶことに、腹立たしさを感じてきたことは想像に難くない。

ニューヨーク州の法改正は、同州ではカリフォルニア州とは異なり、焼酎を「焼酎として」、ソフトリカーの免許で販売することを認めるものだ。ニューヨーク州内、あるいはその他の地域でも、「焼酎」の認知度を向上させることにつながる可能性がある。

ロサンゼルスの地元紙ロサンゼルス・タイムズが2002年に報じたところによると、ソジュの製造・販売最大手のジンロ(真露)・アメリカの売上高は、ソフトリカーとしての販売が認められた後の1年間で、35~40%増加したという。焼酎もニューヨーク州で、同様の売り上げの伸びを経験することになるかもしれない。

また、JSSは現在、カリフォルニア州でも焼酎を「焼酎」として販売できるようにするため、州法の改正に向けた交渉の準備を進めているという。

編集=木内涼子

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