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2022.08.19 06:30

アップルの命運を握る成長領域と「モバイル広告」への期待

Photo by Justin Sullivan/Getty Images

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1997年にアップルに復帰したスティーブ・ジョブズは、10億ドルの赤字だった同社を再建し、世界で最も価値のある企業の1つへと育て上げた。アップルの時価総額は、2018年8月に史上初めて1兆ドルを超えた。その後、2020年8月20日には2兆ドルを突破し、2022年1月3日には一時的に3兆ドルに達した。現在の時価総額は、約2.7兆ドル(約360兆円)となっている。

アップルは、iPodやiPhone、iPad、アップルウォッチなどの画期的な製品と、継続的な収益をもたらすサービスの創出に注力すること成長を遂げてきた。2011年にスティーブ・ジョブズが死去した後の同社の成長には、特に目を見張るものがある。

ジョブズと言えば、傑出した先見性の持ち主として知られているが、彼が自身のビジョンを実現するために、世界トップクラスのリーダーを採用したことも同等に評価されるべきだ。中でも、現CEOであるティム・クックの採用は、彼にとって最高の実績だと言える。ジョブズはアップルに復帰後、クックにサプライチェーンとオペレーションを担当させたが、これは彼ならではの先見性のある決断だった。アップルのサプライチェーンは、1992年から1997年まで同社を率いた2人のCEOによって機能不全に陥っていた。

ジョブズは、1998年の段階で製品デザインの明確なビジョンを持っていたが、壊れたサプライチェーンを再建する一流の人材を必要としていた。クックは、サプライチェーンとオペレーションの欠陥を修正しただけでなく、世界最高水準まで発展させ、その後の発展の基礎を築いた。

ジョブズのもう1つの業績は、クックを後継者として指導し、将来自分の役割を引き継ぐ準備をさせたことだ。ジョブズは、2003年に癌と診断されると、クックの指導を加速させた。クックは、ジョブズが死去する1年前の2010年にCEOに就任した。ジョブズの人選はアップルに素晴らしい結果をもたらし、同社はクック体制の12年間で最も大きな成長を遂げた。
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編集=上田裕資

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