和食に対して「ヘルシー」や「季節を感じる」といったイメージを持っている方は多いが、実はとってもサステナブルな食事でもあるのだ。
今回は、なぜ和食が環境にやさしいのか、6つのポイントに分けて解説していく。
1. お肉が少ない
牛は穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kgを生産するには、その約20000 倍もの水が必要になるとされている。
また、畜産業は温室効果ガス排出の大きな要因でもあり、人間の活動により排出される温室効果ガスの14.5%を占めている。これはすべての船・飛行機・トラック・車が排出する温室効果ガスとほぼ同量である。
日本の伝統的な食生活はお肉が少なく、米や大豆、野菜、海藻、魚が中心なので、環境負荷が小さくなるのだ。
2. 「旬」を大切にしている
四季のある日本では、季節ごとに旬の食材が変わる。
現在はハウス栽培の技術が発達し、外国からの輸入も増えたため、1年を通して食べられるものが多いが、季節を無視して生産するとその分エネルギーがかかってしまう。
一方、旬の食材は生産に必要なエネルギーが少ないうえに栄養価が高く、生態系の保存にもつながる。
料理を盛る器で四季を感じたり、おもてなしの席で季節の花をかざったりして、移りゆく季節を楽しむのも和食の特徴だ。
3. 発酵食品でフードロス削減
和食は味噌や醤油、鰹節、漬物など、発酵食品が豊富。
発酵食品は栄養価や美味しさを増すだけでなく、保存がきき、食材を無駄なく食べることができる。
冷蔵庫がなかった時代では、野菜がたくさん採れる時期に漬物にしておくことで腐らせずに保存でき、冬の大切な栄養源として重宝された。特に、野菜が栽培できない雪国ではなくてはならないものだったに違いない。
4. 干物・乾物で長期保存
食材を無駄なく保存するための技術は「発酵」だけではない。
和食は「乾燥」という工夫も取り入れていた。
魚や野菜などを干して乾燥させると水分が抜け、生のままより長い間保存できるだけでなく、太陽を浴びて風にあたると味がしっかりして栄養価も高くなる。
また、乾燥させることで重量と体積が減るため、遠くの土地へ運搬する際に役立っていた。