その代わりにやっているのは、1人ひとりがベストを尽くせるような明快さを確保し、全員が心から応援できるような強い結果に導くことだ。
協力して最良の選択肢を見つけ、その選択肢を評価し、懸念事項を特定して解決する作業を協力し合うことで、彼らはチームになるのだ。
そして何より、人がなかなか動かないのにはそれぞれの理由があるということを学ぶことができるのだ。
人は物事が悪い方向に向かっているのではないかと不安になると、腰が引けた状態になる。
彼らは自分の違和感をうまく表現できないこともあるが、私がその違和感が前のステップで何かを見落としていることから生じていることを明確にしてあげると、チーム全体で何を見落としていたのかを考えるようになる。
そんな時に、チームが生まれる。こうした集団行動は、多大な敬意を表しグループのメンバー全員の考えを尊重している。違和感の根本を明らかにするためには、お互いの話を本気で聞く必要があるのだ。その過程で、お互いに学び合い、より良い成果を追求することもできる。
違和感の原因を明確にする以下の問いかけは私たちの意図、優先順位、次のステップを洗練してくれる洞察につながる。
・どのような決定が行われたのかが、明確になっているだろうか?
・先に進むために必要な、追加決定事項はあるだろうか?
・私たちは、本当にみんなが関心を寄せる最優先事項に取り組んでいるのだろうか?
・今の道を進むためのタイミングや必要なリソースについて、現実的に考えているのだろうか?
・誰の意見を聞き逃しているのか?
・自分たちの目的や制約に足りないものは何か?
・追加すべき代替案はあるだろうか?
・リスクと真摯に向き合っているだろうか?
これらは必然的に、よりスマートな結論も導くことになる。そして、グループを結束力のあるパワフルなチームへと変えていく。
注意点としては、このアプローチはプロセスを明確にする必要があることだ。漫然とした議論、だらだらとした進行、楽しい演習、単なる会話の多さではうまくいかない。プロセスなしに全員の話を聞こうとすると、成果は少なく、堂々巡りになってしまう。一歩一歩、何を達成しようとしているのかが明確であれば、一歩、場合によっては二歩後退して、修正をしながら、目に見える前進をしていくことは容易だ。プロセスの明確化について詳しく知りたい方は、私の書籍『The Power of Clarity:Unleash the True Potential of Workplace Productivity, Confidence, and Empowerment(明快さの力:職場の生産性、自信、権限委譲の真の可能性を解き放つ)』を参照して欲しい。
このやり方で、どのようにチームを作っていくのか、想像できるだろうか?