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2022.08.18

Web3といえどもスタートアップ成立の基本は変わらない

Coral CapitalではSaaSからマーケットプレイス、宇宙ロボット核融合まで幅広いカテゴリーに投資しています。優れたスタートアップ機会はベンチャーキャピタリストではなく起業家から生み出されるものであることを念頭に、どのアーリーステージ投資案件に対してもVCとしての初心を忘れず謙虚に向き合うよう心がけています。

そんなCoralですが、実は「Web3」系のスタートアップにはまだ投資したことがありません(投資先の中ではG.U. Technologiesが近いですが、どちらかというとブロックチェーンインフラ企業ですので除外しました)。

決して興味がないわけではありません。例えばチームメンバーの中でも、私やKenは以前からビットコインのHODLer(長期保有者)です。

私の場合、買ったビットコインは本当に一度も売ったことがありません。世界的な金融緩和に対して個人的に非常に危機感を抱いているため、それに対する長期ヘッジとして活用しているのです。気になる方は、ぜひRay Dalio著の「Principles for Dealing with the Changing World Order: Why Nations Succeed and Fail」を読んでみてください。

少なくともチームのうち2人がすでにクリプトに長いこと投資しているわけで、当然チームとしても興味を持っています。社内でもWeb3勉強会を開催してLayer1/2の技術動向やNFTの応用を論じたりもしています。

ただ、Coralではスタートアップへの投資を検討する際に以下の2つの基本的なポイントを確認しているのですが、説得力のある答えを出せるWeb3系スタートアップが見つかっていないというのが正直なところです。

(1)どのような実在するペインポイントを解決しようとしているのか。

(2)そのソリューションが本質的な解決になるか。

これらの問いは業界を問わず、どのスタートアップを考える上でも重要です。それはSaaS企業であっても、核融合企業であっても変わらず、Web3企業に対しても私たちは同じ質問をします。業界を超えて通用する、根本的な判断基準なのです。
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文=James Riney

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