ビジネス

2022.08.21 06:30

オムニチャネル機能強化に向け、ウォルマートがテック企業を買収


ただし、ボルト・システムズの買収を、誰もが手放しで称賛しているわけではない。スピーカマン・リテールのキャロル・スピーカマン社長はこう述べている。「ボルト買収の理由づけは、わかりやすいものだ。販売戦略リソースにオンデマンドの可視性をもたらし、実際の施策につながる分析を提供するといったものだ。だが、ウォルマートが現状で手にしているリソースや、ウォルマートとの取引を求めて群がるサードパーティーの分析サービスプロバイダーが多数いることを考えると、ボルトは、何か特別な要素を提供すると考えなければ辻褄が合わない」

「ウォルマートは、自社のオムニチャネル実現に向けた取り組みを順調に稼働させるために、その気になればいくらでも提携関係を結べるはずだ。(ボルトのような)会社を丸ごと買い上げる形での買収に踏み切ったことは、次のレベルの分析能力を自社の手中に収めるというウォルマートの意志を示すものだ」と、スピーカマンは付け加えた。

「ウォルマートが最近、拡張現実(AR)やサプライチェーン技術、フルフィルメント能力の増強に関する投資を行っていることを考えると、今回の買収のタイミングは適切に見える。ボルト・システムズの買収は、今挙げた3つの要素をはじめとするさまざまな取り組みをまとめ上げるのに役立ちうるものであり、全社から、意味深い実際の施策に役立つインサイトを得るのに役立つ可能性がある」

翻訳=長谷睦/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事