自分が死んだ後も作品のなかで生き続けたい
得意の英語と幼いころから一緒のギターを武器に、海外でも頻繁にライブを行ってきた。“音楽は国境を超える”経験を幾度となく味わってきたなかで、特に大きな自信となったのは、フランス最大級のロックフェス「Les Eurockeennes」でのステージだった。
ドラマーと2人だけで2万人弱を収容できる大きなステージに立った。始まった直後は観客もまばらで、Reiのことを誰も知らないような状態だったが、やがて彼女の音楽に引き寄せられるように人が集まってきたという。
「最終的にはみんな拳を突き上げ歓声を上げてくれた。ステージは実力勝負。音楽の力でしか人の心は動かせない。いまでも壁にぶつかるとこのときのことを思い出して『あんなことができたんだから、きっと乗り越えられる』って思うんです」。
ギターを手に取ってから約25年が経つ。Reiに「音楽との距離感はどう変わったか?」と訊くと、少し困ったような表情でこう答えた。
「例えば自分の肌に対して距離感って感じないじゃないですか? 私にとって音楽はそれくらい一心同体なもの。骨や皮や血液とかと同じだから」
これからももっと成功したいし、「物心ついたときからスーパースターになりたかった。耳が割れるぐらい黄色い歓声を浴びたいとも思っている」。
それは、Reiが音楽をやっている理由が「延命治療」だからだ。
「自分が死んだ後も、自分の魂が作品のなかで生き続けてほしい。だから、これからも私の音楽をできるだけたくさんの人に聴いてもらいたいんです」
この9月には、自身にとって最大規模となるLINE CUBE SHIBUYAでのワンマンライブを控えている。
れい◎1993年、兵庫県生まれ。幼少期をNYで過ごし、4歳でクラシックギターを始める。2015年に1stミニアルバム『BLU』を発表、以来ジャンルを超えた音楽をつくり続ける。