米国のGoogleトレンドのデータによると、米国内のいくつかの都市ではここ数十年で最も高い気温を、または過去最高の気温を更新し、オンライン検索は7月に過去最多を記録した。
また、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに注目が集まった2020年を除き、過去5年間は毎年夏になると「heat wave(熱波)」というフレーズへの関心が決まって多くなる。
全米で異常気温が続き、未曾有の干ばつに見舞われている地域もある。これはGoogleトレンドのデータにも反映されており、過去5年間で「drought(干ばつ)」の検索は2021年6月と2022年7月に最も多かった。
また、全米で少なくとも4つの地域で「千年に一度」とされる洪水が発生したため、「floods(洪水)」という言葉での検索もこの2週間で今年のピークに達した。
異常気象への関心が高まる一方で、米国における「climate change(気候変動)」の検索回数はおそらくGoogle Doodleが公開された結果、今年のアースデイに急増した以外はほぼ横ばいで推移している。
しかし世界的には南アジアの一部で記録的な熱波が発生した3月に「climate crisis(気候危機)」というフレーズの検索が10年ぶりの高水準に達した。
欧州でも今夏、未曾有の猛暑に見舞われ、同様の検索トレンドが見られた。英国では先月、記録的な高温となり、「heat wave(熱波)」という言葉の検索が過去最多を記録した。フランスは高温と壊滅的な森林火災に直面し、「vague de chaleur(熱波)」の検索回数が過去最多を記録した。6月に1000人以上の熱中症による死亡が報告されたスペインでも「ola de calor(熱波)」の検索が過去最多となっている。
気候科学者は、気候変動によって世界の平均気温が上昇しているため、欧州や北米の一部を襲った記録的な熱波がやがて常態化する可能性があると警鐘を鳴らしている。気温上昇に歯止めがかからなければ、より深刻な干ばつや、さらに壊滅的な森林火災を引き起こす可能性がある。
バイデン米大統領は、気候変動は米国そして他の国々にとって「存亡の危機」だと指摘している。上院の民主党は先週初め、エネルギーおよび気候プログラムに何千億ドル(数十腸炎)もの予算を計上する画期的な法案を可決し、下院も12日にその法案を通過させた。
しかし、ロシアによる現在も続くウクライナへの侵攻や中国と米国の緊張の高まりによって、世界的な気候変動対策は複雑になる可能性がある。ウクライナでの戦争に端を発するエネルギー危機により、ドイツなどの国々は石炭火力発電所の再稼働を余儀なくされている。ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問に怒った中国は、米国との気候変動協議をすべて一時停止している。