徹底検証。Googleにライバル登場か、アンチSEO「MarketRank」

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3. Google対MarketRank

これはすべて理論的には正しく思えるのだが、果たして現実にうまくいくのだろうか? MarketRankとGoogleを比較して確認してみよう。

Googleはサイトランキングを公開していないが、Google検索はどれも関連性と品質を組み合わせて行われる。そこで、すべての結果が等しく関連すると思われるクエリを見つけることで、ページの品質ランキングを概算しようとした。それは、結果順位の決定要因はGoogleの品質ランキングにあると考えたからだ。

これはノイズの多い、理想的とはとうてい言えない測定値だが、MarketRankのパフォーマンスを語るには十分な資料となるはずだ。

3.1 Zero To Oneの書評

ピーター・ティールの『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』の書評を、「book review zero to one」というクエリで見つけてみよう。
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GoogleとMarketRankはどちらも、Atlantic誌の記事がベストであると認めているが、それ以外はまったく評価が分かれている。Googleの最初のページに挙がっている結果については、トップ以外、MarketRankのスコアは0であり、それは低品質か、品質が不明であることを意味する。
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2ページ目になってようやく、MarketRankがそれなりのスコアを付けているFarnam StreetとSlate Star Codexが出てくる。

次の表はGoogleの検索結果に付いたMarketRankのスコアを示したものだ。
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Farnam StreetとSlate Star Codexの記事は、Googleの検索結果の1ページにあるほとんどの記事より質が高いと言っても、あながち的外れではないはずだ。

またこの表から、Slate Star Codexよりも『タイムズ・オブ・インディア』の方がSEOを重視しているのではないかと推測してみたくなる。

3.2 Startup Ideas

Googleが高品質と見なすページを見つけるもうひとつの方法は完全一致検索だ。これは、キーワードスタッフィングやその他のSEOハックの影響を受けやすいため、まだノイズが多い。しかしおおむね、完全一致のフレーズを持つすべてのページを調べ、品質でランク付けすると考えてよいだろう。

私たちの使った完全一致のフレーズは「startup ideas」だ。

まず現れたのがSEOに最適化されたNerdwalletの記事で、別の記事をはさんでYCサイトのビデオ、そのあとさらに多くの記事が並んでいる。
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この検索結果とMarketRankが出した結果の不一致は驚くほど大きい。1ページ目の検索結果はどれひとつとしてMarketRankには出てこない。

4ページ目になってようやく、ポール・グレアムの"How To Get Startup Ideas"を発見できた。
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Googleの検索アルゴリズムが"startup ideas"というフレーズをどう一致させているのかはわからないが、最も人気のあるスタートアップブログのひとつである"How To Get Startup Ideas"というタイトルのページをほとんどゴミ扱い同然の4ページ目に出してくるようでは、とうていまともとは言えない。

MarketRankは、このページがさまざまなコミュニティで数多くシェアされ、アップボートされているのを知っているので重要だと判断したのだ。その結果、このページのMarketRankスコアは3389ポイントに達している。

Googleがゴミと見なし、MarketRankが良しとする他の注目すべきページに、Gwernの"Startup Ideas"(399ポイント)と、Chris Dixonの"Developing new startup ideas"(447ポイント)がある。

この結果をさらに調べてみると、どうやらGoogleは最新であることに厳密に最適化するあまり、こうした古い記事をまったく顧慮していない可能性がある。それがこの奇妙な結果を説明しているのだとしたら、ブロガーのポール・グレアムは、本のタイトルを"How To Get Startup Ideas in 2022"に変更すべきかもしれない。
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翻訳・編集=島田恵寿/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

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