多くのiPhoneユーザーにとって、メッセージアプリ(iMessage)でテキスト(SMSやMMS)を送るときには共通の悩みがある。友人の誰かがAndroidに乗り換えると、グループチャットのメッセージの吹き出しが緑色に変わるからだ。
iPhoneとAndroidスマホ間でメッセージを送ると、いろいろな不都合が起きる。写真や動画の画質が落ちたり、メッセージが送信されなかったり、遅れたり、順番どおりに送信されなかったりするのだ。タイピングインジケーターが無効になり、サムズアップやハートなどのリアクションは、吹き出し上のバッジ表示ではなく、文字で書き出されるようになる。この問題は何年も前から文句を言われ続けている。
グーグルは米国時間8月9日、この問題でアップルを非難するマーケティングキャンペーンを開始した。グーグルは「Get the Message」というウェブサイトを公開し、この「壊れたグループチャット」についてアップルにソーシャルメディア上で文句をいうように呼びかけた。
ウェブサイトには「It’s time for Apple to fix texting(アップルがテキストを修正するのは今だ)」と書かれており、さらに「アップルが最新のテキスト標準を採用することを拒否しているために、iPhoneとAndroidスマホを持つ人々が相互にテキストをやりとりする際にこうした問題が起きるのです」と続いている。
同サイトでは、アップルのメッセージ(iMessage)の代替品として、プライバシーに配慮したチャットアプリであるSignalやMetaのWhatsAppなど、OSを問わずにテキストをやりとりできるサービスも紹介している。
今回のキャンペーンは、グーグルによるこれまでで最も積極的なものとなる。アップルのメッセージアプリとAndroid搭載スマートフォンとの互換性をアップルに高めてもらうことが目的だが、一般的にテクノロジー大手同士は名指しで互いを非難することをしないという暗黙の約束を破るかたちとなった。ウォールストリート・ジャーナルによれば、10代や大学生は、緑の吹き出しのせいで仲間外れにされることを恐れているという。2022年初めには、Androidのトップであるヒロシ・ロックハイマーは、アップルがテキストで優位に立つのは「同調圧力といじめ」の結果だと語っている。
アップルにコメントを求めているが、まだ回答は得られていない。