─壮大で楽しそうな挑戦ですね。トッドさんはなぜ、ビジネスパートナーに西村真里子さんを選ばれたのでしょう?
トッド:真里子とは互いに共通の友人から紹介されて知り合ったのですが、彼女が持つ世界観、そして「日本文化をもっと幅広く世界へ向けて発信し、その素晴らしさを知ってもらいたい」という熱い想いに圧倒されたというのが真里子さんへの第一印象です。その実現に向けて、僕自身が持つスタートアップとメディア・プロダクションの経験を組み合わせれば、まさに鬼に金棒と考えたのが今回の共同創業に至る僕自身の思いです。
西村:私も「思い」はトッドと同じです。きっと二人の思いがポジティブな化学反応を起こしたのかもしれませんね。共同創業者は7人いるのですが、アメリカ人、日本人、カナダ人、フランス人、国籍は違えど全員同じ思いを有しているのも頼もしいです。
詩人として、日本への関心
─ではトッドさん、数多くある世界文化の中から何故「日本」を選び、活動を展開していこうと思われたのですか?
トッド:Narōを立ち上げる前にも、日本へは仕事を兼ねて何回か訪れていますが、実は僕は「詩人」でもあり、特に日本の和歌や短歌に大きな関心を持っているんです。ですから、僕自身の個人的な日本文化への思いや関心が、ここ日本でNarōを立ち上げるきっかけになっているんです。
─何故「動画」という形になったのでしょうか?
トッド:現在のエンターテインメント業界の主流は「動画(ビデオ)」ですが、その中でもNarōの特徴の一つとして挙げたいのは「それぞれの先生やマスターたちが織り成す技巧を拘りの視点から捉え、Naro.tv(https://www.naro.tv/)のプラットフォームを通してオンデマンド・ビデオ・コース」として紹介するという点にあるんです。
料理講座のようにただ単に「料理の手法や技」を一方通行で紹介するのではなく、料理に込める先生やマスターの熱い想いに息吹を与える映像を通して、観る人たちにそれぞれの「達人の道」を「臨場感」を持って体験してもらいたいと思っているんです。
現在は個別の紹介ですが、コースの数を増やしていきながら、いずれは一定期間サービスを提供し、その利用期間に応じて料金を支払ってもらうサブスクリプション・モデルのビジネス展開をしていきたいと考えています。
西村:現在は、まだコロナ禍の影響で、海外からの日本への訪問や日本国内の旅が難しい状況が続いていますが、このNarōを通して、自宅で心地よく楽しめる「達人の世界」を世界に向けて配信し、少しでも多くの方々に日本文化の奥深さに触れていただくことができればと思っています。