ついにGoogleをしのいだ? 5つの未来型検索エンジン

Dilok Klaisataporn / EyeEm / Getty Images

会話型検索エンジン〈Andi〉


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検索エンジンはそこまで機械的なものでなければならないのだろうか? われわれは検索語を入力するとリンクの一覧が返ってくることにすっかり慣れているが、AndiはChatGPT同様、その筋書きを一変させる。

Andiは「質問に答え、役に立つリンクを送ってくれる有能な友人とメッセージをやりとり」するような会話型検索の体験を提供するのだ。特定の質問に対して、最適な情報源から答えを導き出すのがAndiの特徴だ。

例えばGoogleで「中国とニュージーランドの人口ひとりあたりのGDP比較」と検索すると、見づらい一覧が提示されるだけで答えは得られない。

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ところが、同じことをAndiで検索すると、求めていたとおりの情報が得られる。

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ダイナミック検索


Andiが検索結果を生成する方法は、本稿で取り上げるどの検索エンジンとも異なる。クエリの意図とトピックを理解することに注力し、最適と思われる情報源を予測して答えを出す。それから、関連するAPIや垂直検索エンジンに直接問い合わせ、リアルタイムで結果を生成する。

インデックスは必要ない。

リーダー・ビュー


また、リーダー・ビューも紹介しておくべき特徴だ。ウェブページを開くことなく、そのページの内容を閲覧できる機能で、広告や不要な情報を避け、一貫したブラウジングを体験できる。

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独立型検索エンジン〈Brave Search〉


ここで避けては通れない検索エンジンについて触れておこう。これまで紹介してきた検索エンジンは、どれほど優れた特徴を備えていても、完全に独立したインデックスを有していない。

どのエンジンもある程度は、検索結果をGoogleやBingから得ている。

現在のウェブの規模を考えると、独自のインデックスを構築するのは至難の業だ。完全に独自のインデックスを持つ検索エンジンの数は片手で数えられるほどしかない。

これまで紹介してきた検索エンジンの多くもいずれは独自のインデックスを構築したいと考えているが、どのエンジンよりもその点に力を入れているのがBrave Searchだ。

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Brave Searchで検索すると、検索結果の何パーセントが独自のインデックスから得られたものか必ず表示される。100%を目指しているため、数字は堂々とはっきり示される。

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「ほかの検索エンジンはGoogleやBingに頼っているが、Brave Searchはスタンドアローンでの動作が可能だ。どの検索エンジンもそれなりの価値を提供しているが、独立した検索エンジンではなく、Brave Searchとは質が異なる。独立していることが実用性に直接影響するわけではないが、根本に関わる特徴だ。独立しているが故に、仮にGoogleとマイクロソフトに妨害されても作動しつづけられる。独立しているおかげで選択の幅が広がり、多様性を保つことができる」─Brave検索最高責任者、 ジョセフ・M・プジョル

Brave Searchには目を見張るような新機能は多くない。検索エンジンに重要だと信じるひとつの点に集中的に力を注いでいるからだ。

ウェブ発見プロジェクト


プライヴァシー保護を重視する検索エンジンにとって大きな課題を解決するためにBrave Searchが取り組んでいるのがウェブ発見プロジェクトだ。Googleが質の高い検索結果を提供できるのはユーザーの情報を大量に収集しているからであり、その情報を利用して検索経験を向上させている。プライヴァシー保護を重視する検索エンジンはそうしたデータを収集しないため、できることには限界がある。

ウェブ発見プロジェクトでは、ユーザーが許可すればウェブサイトの検索や閲覧データが匿名で提供される。Brave Searchはそのデータを検索結果の向上に役立てている。そうすることでユーザーのプライヴァシーを侵害することなく、Googleがクエリを最適化するために利用しているのと同等のデータを入手できる。

基本設定ではデータ提供はオフになっているので、提供したくない場合も心配は無用だ。
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翻訳・編集=北綾子/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

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