グーグルは検索エンジンの誤情報問題の解決を目指す 米中間選挙が迫る中

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2014年、もしあなたがGoogle(グーグル)で「King of the United States(米国の王様)」と検索したら、壇上でマイクに向かって熱狂的に叫ぶバラク・オバマの写真を目にしていただろう。

もちろん真実ではない。しかしGoogleは、極右ニュースのBreitbart(ブライトバート)に「All Hail King Barack Obama, Emperor Of The United States of America!(ようこそキング・バラク・オバマ、アメリカ合衆国の帝王)」と題された記事が掲載されたことを根拠に挙げた。

このエピソードは、検索結果をクエリの決定的な答えかのようにベージのトップに強調表示するスニペットの不器用さを強調している。問題は、その後何年も続き、当たり前のようにGoogleは特定の大統領がKKK(クー・クラックス・クラン)の一員であるとか、女性は邪悪であるなどと提示していた。

8月11日、地球上で最も広く利用されている情報ツールが抱えるこうした嘘と戦うべく、Googleはいくつかの新機能を公表した。検索結果として10個のリンクを表示する初期のシンプルなウェブサイトだった頃から大きく変化し、Googleは今やニュース記事、ツイート、地図、ホテル予約などさまざまな項目がハイライトされる無秩序で雑然としたサイトになっている。サイトが大きくなり、誤情報を発信する者たちの手口が高度化するにつれ、検索エンジンは嘘と誤情報の拡散に対して脆弱性を増した。

「近年の誤情報の急増は、社会としての私たちにとっていっそう緊急の課題となっています。当社が使命を果たすことができるのは、質の高い結果を提供できたときだけです」とGoogleの検索担当副社長パンドゥ・ナヤクは10日に記者団に語った。

Googleは、人工知能システムを使って検索結果の抜粋を改善すると語った。同社はMultitask Unified Model(MUM、マルチタスク統合モデル)と呼ばれる機械学習ソフトウェアを利用して、1つの事実に対して複数の信頼できる情報源の間で一致しているかどうかを確認する。このプロセスによって、たとえ情報が異なる方法で表現されていても、システムは全体合意に達することができるとGoogleは説明した。
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翻訳=高橋信夫

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