視点を変えて幸福度とキャリアを向上 神経科学による2つの方法

Photo by Monty Rakusen (Getty Images)

非現実的な締め切りや仕事での要求、後ろにいる上司の厳しい監視——。仕事でスランプに陥った場合(必ず陥るものだ)、私たちはこうしたものに成功以上の意義を与え、より真剣に捉えてしまいがちだ。

仕事のプレッシャーや不満、落胆はキャリアが進展する結果として当たり前に起きるものだ。私たちはこうしたことが原因で時には非常に落ち込み、その結果自信がなくなって努力を続けるやる気が損なわれることがある。

私たちは生き残るよう本能づけられているが、生き残りと成功とは逆のものなので、キャリアの成長が見えなくなりかねない。重要なのは、仕事での成功を失敗以上に重要なものと考えず、失敗を成功よりも重視せずに成功を祝うことだ。この考え方は科学的に支持されている。

神経科学者らは、人間の脳は生き残りのためキャリアの問題や脅威に集中するように作られていることを発見した。大半の人は職場での脅威を過剰評価し、それを管理する自分の能力を過小評価している。脳は脅威に焦点を当て、問題を重視させ続け、ネガティブな感情の泥沼にあなたをはめ、潜在的な解決策を見えなくし、時には諦めたいとさえ思わせる。

努力を認められなかったり昇進させてもらえなかったりした後にネガティブな感情が残る場合、これが特に当てはまる。こうした感情的な「二日酔い」は仕事に向かうあなたに付いて回り、取り組みや才能、生産性を隠してしまう。

キャリアを維持し、取り戻し、広げ、構築するために採用できる神経科学の戦略には2つのものがある。

1つ目として、狭い視野に焦点を当てた見方よりも広い視野を持つことで前向きな見通しが持て、創造的可能性や解決策が増える。多くの調査からは、より広い範囲に取り組む労働者は範囲が狭い人よりも早く、さらに高いところまで昇進することが示されている。

仕事で障壁に直面しているとき、失敗により悲観的な感覚が残っていれば選択肢は見えない。一方楽観主義を持てば、成功につながるようなさまざまな可能性が解き放たれる。簡単に言えば、後ろ向きな考え方をしていれば問題に目を向けてばかりだが、前向きな見通しにより視野が開け、解決策を見ることができ、取り組みや生産性を維持できるの。
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翻訳・編集=出田静

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