米国の若者はなぜ真夏に長袖パーカーを着る? ある科学者の考察

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その結果は、(少なくとも私にとっては)驚かされるものだった。加重ブランケットの使用については、自閉症スペクトラムや不眠症、不安症や多動症の人に役立つものとして、長年にわたって数々の研究が行われているという。前出の記事の筆者も、パーカーと加重ブランケットには同様の働きがあるのではないかという仮説を立てている。

ここで私は、お気に入りの通販アプリで検索してみた。すると、“加重パーカー”は実際、人気商品であることが分かった。さらに、軽量で通気性の良い素材を使ったパーカーも、さまざまな種類が販売されているのを見つけた。

トレイルランナー誌に掲載されていたある記事には、「夏といえば、一部の人にとっては"太陽が熱い、(鍛えた)腕を見せつけよう"となる季節だが、日焼け防止効果もあり、汎用性も高い超軽量の長袖パーカーの利点に気づくトレイルランナーが増加している」と書かれている。

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「ランニングの後にパブに行く場合も(もちろん、ポストコロナ時代に!)着ていくことができるクロスオーバー、かつシームレスなスタイルも、その良さのひとつだ」という。

こうして調べてみたことで、この問題に関する私の見方は変わった。これからは、息子にとやかく言うのは、やめることにしよう。息子がそれを着ていて快適なら(そして熱中症にならないなら)、それでいいのだ。

また、願わくはこの“パーカー世代”が、パーカーを着ることが多い印象を持たれる有色人種の若者たちに対する米国の「社会的な偏見や知覚」を、なくしてくれることも期待したい。

編集=木内涼子

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