ライフスタイル

2022.08.14 16:00

佇まいにブランドの歴史を感じる「トッズ」のアイコンシューズ

Forbes JAPAN本誌で連載中の『紳士淑女の嗜み』。ファッションディレクターの森岡弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る。今回は8月号(6月24日発売)より、「トッズ」のシューズをピックアップ。


森岡 弘(以下、森岡):今月号で取り上げるのは、イタリアのラグジュアリーブランドの「トッズ」ですね。

小暮昌弘(以下、小暮):「ゴンミーニ」と呼ばれている靴ですね。ドライビングシューズとして人気を博した靴です。

森岡:小暮さん、大好きでしょう。

小暮:はい、大好きです(笑)。最初に履いたのは「ウィンター ゴンミーニ」で、靴底が厚いブーツタイプ。何足か履き潰しました。秋冬向けのモデルでしたが、あまりの履きやすさに、春夏も履いていたので、このモデルは残念ながら買い逃しました。

森岡:こちらは亡くなったダイアナ妃が履かれていて、女性にも人気になりました。

小暮:ややきゃしゃで洗練された印象を醸し出すデザインが女性の足元によく似合います。アウトソールに付いた「ラバーペブル」のおかげでとても履きやすい。男性だと、ケイリー・グラントやマイケル・ダグラスが愛用しているそうです。

森岡:ここ数年、靴ではスニーカーの流行が続いていますが、大人の人がストリート的なスニーカーを履くのはなかなか難しいものがあります。あらためて「ゴンミーニ」を見ると、カジュアルなスタイルでもそろそろこういう靴が履きたくなってきますよね。

小暮:もちろん「トッズ」でもスニーカーは多数出ていますが、やはり「ゴンミーニ」はこのブランドの象徴。佇まいにブランドの歴史が感じられますね。

森岡:今シーズンは甲のストラップにブランドの頭文字に由来する「T タイムレス」モチーフが付くシリーズもありますが、それでもどこからどう見ても「ゴンミーニ」に見えるようにデザインされている。こういうところが素晴らしい。

小暮:私がよく履いていたモデルはスエードでしたが、今回紹介するのはヌバックですね。

森岡:スモーキーがかったカラーリングが特徴的ですね。ソフトな素材、履きやすそう。

小暮:イタリア人ならば、素足に「ゴンミーニ」を履くでしょう。これで夏にはオープンカーのアクセルペダルを踏むわけです。

森岡:靴でドライビングシューズというジャンルがあると知ったのは、このブランドからです。ヒール部分にソールが巻き上がっているデザインがソレっぽいですね。
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文=小暮昌弘

この記事は 「Forbes JAPAN No.096 2022年8月号(2022/6/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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