そんな現実の中でも、ビジネスは続けなければならない。そして、常に顧客の流れが続かなければ経営は成り立たない。しかし、1年前と今とでは、顧客が求めているものは違うといっていいだろう。彼らは自分の問題を解決するために、あなたの心配り、気遣い、創造性を必要としているのだ。そして、その対価として顧客からの強い信頼を得ることで、自社の経済的苦境を乗り越えることができる。
顧客第一の道へ踏み出すために、以下の戦略を試して欲しい。それぞれ、ブランドへの理解度を高め、対応力をアピールするためのものとなっている。
1. 顧客に代わって問題解決をする
顧客はいろいろな不安を抱えていて、すべてを整理できていないかもしれない。彼らの最大の問題点に対する解決策を提示することで、支援を行うことができる。そうすれば、顧客は精神的な重圧をすべて背負う必要がなくなる。
問題解決の際の顧客中心主義を貫くために重要なことは、自社の製品やサービスが唯一の解ではないことを認識していることだ。パンデミックの期間中やその後に、サプライチェーンの問題などさまざまな要因で、世界中でCPAPマシン(在宅持続陽圧呼吸療法装置)が大量に不足した。消費者がこの不足を乗り切るのを支援するため、CPAP.comは、CPAPマシンを探している顧客が実行可能な、一時的および永続的な回避策発見の支援を目的とした情報提供を優先した。
大きなジレンマに直面したとき、人は既成概念にとらわれない考え方をすることがとても難しい。顧客が考えてもみなかった解決方法を提案をすることで、顧客の気持ちを楽にすることができる。さらには、顧客との関係を深めてくれるのだ。
2. 本当に価値のあるコンテンツを提供する
現在、マーケティングはあらゆる面で一流である必要がある。コンテンツマーケティングを世界に通用するレベルに引き上げるには、期待を超えるコンテンツを発信することが1つの方法だ。
コンテンツマーケティングをさらに進化させるためには、そのプロセスを効果的に行っている他のブランドを調査することがまず重要だ。農業機械メーカーのJohn Deere(ジョンディア)は、価値あるコンテンツの提供という意味では際立っている。100年以上にわたって同社が発行する広報誌『The Furrow(ザ・ファロー)』が、同社のファンの間では必読の書となっているからだ。しかし、同社のコンテンツマーケティングはそこでは終わらない。同社は常に高品質な内容を目指し、そのマーケティング努力はガートナーから「Genius Brands」(ジーニアスブランド)という格別の評価を得ている。