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2022.08.14 13:00

低所得国でのHIV予防注射の普及支援に、国連支援団体が合意


国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、2021年にHIVに新たに感染した人は、世界全体で150万人にのぼる。その大多数は、リソースに限りがある国々での感染であり、女性や思春期の少女が過度に多い。世界では、15歳から24歳の少女と女性のおよそ5000人が毎週、HIVに感染している。

また、2021年には世界全体で、推定3840万人がHIV感染者として生活し、約65万人がAIDSによって死亡したという。

HIVの流行が発生して以降、AIDS関連の病気による死亡者は推定4010万人で、感染者は8420万人いる。

ウイルスの侵入や増殖を防ぐ抗レトロウイルス薬が開発されたということは、HIV感染者の多くがほぼ普通に寿命を全うし、AIDS関連の病気を発症することなく、ウイルス量も検出不可能になることを意味する。つまり、セックス中に相手にHIVをうつすことはない。こうした薬を誰もが利用できるわけではないので、低所得国を中心に、出来る限りの普及を目指した取り組みが進められている。

南アフリカ共和国のケープタウン大学デズモンド・ツツHIV財団ディレクターを務めるリンダ=ゲイル・ベッカー(Linda-Gail Bekker)は、今回の取り決めについて、PrEPの恩恵が受けられる人全員に、注射可能なPrEPというイノベーションを確実に行き渡らせるための「今後に向けた重要な一歩」だと述べた。「世界規模でHIVを制御するためには、一次予防がカギになる」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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