ウクライナ政府と共同で調査を実施したKSEによると、戦争によって破壊された自動車と農業機械はそれぞれ約10万5000台と約4万4000台で、764の幼稚園や1991の店舗、634の文化施設が破壊されたという。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は8月2日、ウクライナ国防省が戦争によって少なくとも14万棟の住宅が被害を受けたと推定したと報じた。一方で、KSEは11万4700棟の個人の住宅が損害を受けたか破壊されたと試算している。
KSEの調査によると、戦争によるアパートや個人住宅の被害額は477億ドルで、道路や空港などの交通インフラの被害額は316億ドルにのぼるという。
これらのインフラへの被害の修復にかかる費用は1850億ドルと試算されている。
国連は、ロシアが2月に侵攻を開始して以来、ウクライナから800万人以上が避難し、そのうち650万人以上がポーランドやモルドバなどの近隣諸国に渡ったと推定している。
ウクライナのゼレンスキー大統領とKSEの調査によると、ロシアのウクライナ侵攻による被害額は5月時点で、約6000億ドルだった。ロシアのミサイル攻撃は、鉄道やアパート、病院を含むウクライナのインフラを破壊している。
米国とウクライナの同盟国は、戦争が始まって以来、ウクライナに数十億ドル規模の援助を行っている。バイデン政権は8月2日、ウクライナに5億5000万ドルの追加の軍事支援を行うと発表し、米国の支援総額は70億ドルを突破した。今月初め、ウクライナのデニス・シュミハル首相は、戦争終結後の国家再建のための7500億ドルの復興計画を発表し、ゼレンスキー大統領は、このプロジェクトに参加するよう国際社会に呼びかけた。