ジュリアはたいへん楽しい操舵感覚をもった後輪駆動(中心)のセダンで、1970年代までのBMWを彷彿させる、なんて意見もあるぐらいだ。万人向けに仕上げられているいまのBMWのラインナップにおいて、ジュリアと同じように、気分がすかーっと爽快になるモデルを探そうとしたら、高価な「M」モデルかもしれない。
腕に自信のある人が求めるものを、きちんと与えるべく、クルマを開発してきたのがBMWであり、アルファ ロメオである。
いまのジュリアが2015年に出たとき、超をつけたいぐらいシャープなハンドリングの感覚に、心を奪われた。ドライブトレインのバリエーションがいくつかあるが、ステアリングホイールを切ったときの動きは、まるでセダンのかたちをしたスポーツカー。リラックスしすぎたような運転態度は許されないほどだ。
頂点には540馬力の「GTA」と、ドアは4枚なのに後席をとっぱらって2人乗りにするなど軽量化を突き詰めた「GTAm」まで設定したジュリア。
今回の「2.0 ターボ・ベローチェGTジュニア」はダブルサンルーフやぜいたくな内装など、ふだん使いでも快適であるが、ダイレクトな操舵感覚は貫かれており、ジュリアの名に恥じないもの。
ドライブの楽しさを知っている人なら、あえて忙しいときにジュリアを引っ張り出して、ちょっと出かけるといい。ゴルフやランもいいけれど、クルマにもまた精神浄化の大きな働きがあると思う。なかでも、ジュリアの”効果”はばつぐんだろう。いいものを知っている人に薦めた。
Alfa Romeo GIULIA 2.0 TURBO VELOCE GT Junior
ボディ外寸:全長×全幅×全高=4655×1865×1435mm
駆動形式:後輪駆動
最高出力:280PS 最大トルク400Nm
価格:680万円(車両本体価格)